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ポジション争いに意欲的な10シーズン目のラムズPヘッカー

2021年06月07日(月) 11:57

ロサンゼルス・ラムズのジョニー・ヘッカー【AP Photo/Mark Humphrey】

ロサンゼルス・ラムズのパンター(P)ジョニー・ヘッカーは、近年NFLを代表するスペシャルチームの選手として評価されている。それにも関わらず、10シーズン目を迎えるに当たって彼の心構えは変わらないようだ。

オールプロに4度選ばれているヘッカーはラムズのOTA(チーム合同練習)で直面している競争と、その状況を取り巻く意味合いについて率直に語った。

現地3日(木)にヘッカーは記者団に対して「いざとなったら、組織はこのロースターのために最善の決断をしなければならない」と話したと『Los Angeles Times(ロサンゼルス・タイムズ)』のギャリー・クラインが報じている。「経済的な面でも逃げ場はない。だからこそ、最高のロースターを編成するためにやるべきことをやらなければならない」

『Over The Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によると、ヘッカーは現在NFLで最も高給取りのPであり、そのサラリーキャップは490万ドル(約5億3,700万円)だという。2012年にドラフト外フリーエージェント(FA)で契約したヘッカーはラムズで最も長く在籍している選手でもある。31歳の彼は2020年にキャリアローとなるパント1回あたり45.6ヤードを記録した。

「自分の能力を最大限に発揮できなかったことは確かだ」とヘッカーは認めている。「いくつかの試合では、自分でもよくわからないが、精神的に焦っていたようだ。チームのためにもっとうまくできたキックが確実にいくつかあった。チームに良いポジションを与えられなかったときが一番イライラする」

9シーズンにわたってスペシャルチームコーディネーターを務めたジョン・ファッセルがチームを去った2020年、ラムズのスペシャルチームはここ数年に比べて全体的に振るわなかった。チームは今オフにジョー・デカミラスを新しいスペシャルチームコーディネーターとして採用し、ロングスナッパーのポジションを含むスペシャルチームのすべての面で競争を促し、2021年に向けて準備を進めている。

コーリー・ボホルケスとブランドン・ライトがヘッカーのライバルとして契約を結んだ。

「コーリーは非常に才能がある。だからこそ一瞬でもこれを競争だと考えないことや、毎日競争として取り組まないことは、自分自身とこのチームに悪い影響を与えることになると思っている」とヘッカーは述べた。

「だから、コーリーと契約したのは素晴らしいことだと思う。コーリーは優秀なPだ。これまで見たこともないような強靭な脚を持っている。彼とブランドンは技術的にも優れていて、俺が気を引き締めるのに必要な存在だ」

ボホルケスは過去3シーズンをバッファロー・ビルズで過ごし、2020年にキャリアハイとなるパント1回あたり50.8ヤードをマークしている。出身地の南カリフォルニアに戻った24歳のボホルケスは完璧ともいえる状況でチャンスを得られるかもしれない。

「みんながボールをキックし始めて活力が湧いてくると、競争心が生まれる」そう話すのは、チェイス・マクロフリンとの競争を強いられているキッカー(K)のマット・ゲイだ。「ジョニーもコーリーも2人とも調子はいいよ。すごく安定している。2人とも一流のPだから、彼らがひたすらボールをキックしているのを見るのは楽しい」

過去9シーズンは自分のポジションをしっかりと守ってきたヘッカーだが、2021年に向けても意欲的に取り組んでいるようだ。今シーズンのラムズはクオーターバック(QB)マシュー・スタッフォードの獲得に全力を尽くしてきた。そんな中ヘッカーはオールプロ選手に復活できるかもしれない重要なシーズンを迎えており、そのためにポジション争いは欠かせないと言える。

「このリーグでは何かを当たり前だと思ったり、確実なものだと思ったりした瞬間に意表を突かれる」とヘッカーは話した。「だから今は毎日を楽しんで、できる限りの準備をして、チームを助けるためにベストを尽くしている」

【R】