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QBバロウが負傷したプレーを「自分のせいだと思った」とベンガルズGマイク・ジョーダン

2021年06月12日(土) 01:01

シンシナティ・ベンガルズのジョー・バロウ【AP Photo/Al Drago】

オフェンシブラインマンはしばしば、試合中に自分たちのプレーに気付かれないことが最大の賛辞だと口にする。

彼らはクオーターバック(QB)を囲む巨大な壁だ。頑丈で崩れない。欠くことはできないが、忘れられがちだ。テレビで名前を呼ばれたら、それはほぼ間違いなくミスをした時だ。

その流れでいうと、シンシナティ・ベンガルズのガード(G)マイク・ジョーダンは2020年第11週のワシントン・フットボール・チームとの試合で、最もしたくない経験をした。彼はディフェンシブエンド(DE)ジョナサン・アレンに押し負けただけでなく、一緒になって倒れ込む際にQBジョー・バロウを巻き込んでしまい、左膝を負傷させてしまった。

これで全体1位指名のバロウのシーズンは終了した。

「俺のせいだと思ったよ」とジョーダンは『The Athletic(ジ・アスレチック)』のポール・デナーJr.に語った。「その思いを頭の中から振り払うのに1週間ぐらいかかった」

ジョーダンとバロウは2016年からの知り合いだ。ジョーダンがオハイオ州立大学に入った時、バロウはバックアップだった。2人は昨年、シンシナティで再会した。

「最初にしたのはジョーに謝ることだった」とジョーダンは語った。「それから、これ以上言葉にすることはないと彼に言った。あとは行動するだけだってな。“次はもっとうまくやる”って口で言うことはできる。でも彼はそんなことを聞きたがっていない。目で見て確認したいんだ。俺は自分の発言と信念をこのシーズンで証明する。ベラベラしゃべりはしない。行動で見せてやる」

ジョーダンにとってバロウを巻き込んだブロックの失敗は、どろどろのサンデーに乗った腐ったサクランボだった。『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス/PFF)』によると、ワシントン戦で彼はサック1回、QBヒット5回、3回のハリーと9回のプレッシャーを許している。シーズン最後の4戦はベンチで過ごした。

ベンガルズのオフェンシブラインは昨年、そうしたプレーのまずさから厳しい批判を浴びた。ジョーダンが許した35回のプレッシャーというのは、PFFによると昨シーズンの全Gの中で4番目に多い。それ以上を記録した3人はそれぞれ16試合でプレーしている。ジョーダンが出場したのは11試合だ。

批判を耳にしても、元4巡目指名のジョーダンが気にするのはバロウの考えだけだ。

「彼はただ、“ありがとう、感謝する”としか言わなかった」とバロウの返事について彼は述べた。「彼は俺を信じていると言い、俺も彼を信じていると伝えた。俺とジョー・バロウの間にはそれが常にあった。彼はすごいやつだよ――立派なやつだ。俺には他に何も言うことなんてない。ただ彼に見せたいんだ。それだけが俺の願いだ」

このオフシーズンにジョーダンは“自分をバージョンアップさせるため”、食生活を変え、激しいワークアウトに取り組んだという。

オフェンシブラインのアップグレードが必要なベンガルズはオフシーズンにオフェンシブガード(OG)クイントン・スペインと再契約し、エグゼビアー・スウェイ・ファイロがけがから復帰する。ドラフト2巡目で指名したジャクソン・カーマンはルーキーとしてインサイドでプレーする予定だ。この4人で2つのGを争うことになる。

3年目を迎えるジョーダンにとっても、先発復帰のドアはまだ閉じられていない。だが、仕事を勝ち取るためには一貫性を示す必要があると彼は知っている。

「俺が昨シーズンから学んだ最大のレッスンは、起きてしまったプレーは1つのプレーに過ぎないってことだ」とジョーダンは述べた。「それが素晴らしかろうが悪かろうが、前に進むための準備をしておかなきゃならない。大事なのはそのプレーじゃなく、次のプレーなんだ」

これまでのジョーダンのNFLキャリアで最も有名なプレーはバロウをけがさせてしまったものだ。23歳の彼はそれで残りのキャリアを決められたくはないという。

「俺のことをメディアで悪く言う人は多くいる。フットボールのことなんて理解もしていないくせに」とジョーダンは述べた。「あのプレーにはいろいろなことがあったってことを彼らは理解していない。その他に、俺には去年よりバージョンアップした選手になるっていう責任がある。そうしなきゃならないんだ」

まだ若い選手であるジョーダンのキャリアは分かれ道に差し掛かっている。深い闇からはい上がり、改善されたラインで先発に返り咲くのか、それともこのまま消えていき、バロウをのたうち回らせたプレーだけが記憶に残るのか、どちらかだ。

【M】