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自分がここにいる限りSマシューにいてほしいとチーフスQBマホームズ

2021年06月21日(月) 14:10

カンザスシティ・チーフスのタイラン・マシュー【AP Photo/Patrick Semansky】

セーフティ(S)タイラン・マシューはカンザスシティ・チーフス以外のチームでプレーすることを望んでいない。

特に、1年の今の段階で、契約年を迎えようとする選手が現在のチームに長くとどまりたいとの意向を示すのは珍しいことではない。

マシューの場合は他のジャージーを着たときにも輝かしいパフォーマンスを披露していた。それでも、チーフスで築いた関係性や、そこでつかんできた安心感や幸福感が、残留を希望させている。自分に発言権があるのであれば、複数回プロボウルに選出されたマシューにはカンザスシティを出るつもりはなく、どこでプレーするかがいくら支払われるかを上回っている。

チームによれば、カンザスシティでキャリアを終えたいとの願いがどれくらい強いかを尋ねられたマシューは「多分それがリストのトップだ」と先週に話したという。

「俺が求めているのはそれがすべてだ。俺としては、自分はどこでもフットボールをプレーできると思う。だが、特定の人たちと関係性を築いたら、その人たちが自分の人生の一部になるんだ。だから、スパグスコーチ(守備コーディネーターのスティーブ・スパグニョーロ)やメリットコーチ(ディフェンシブバックコーチ)、リードコーチ(ヘッドコーチ)、俺たちのストレングスコーチのバリー・ルビンコーチ、そういう皆が俺にとって重要になり、この関係性から離れる自分が想像できなくなる。この人生で多くのことを経験してきたから、俺としてはある関係性にとどまることはお金のことを上回るし、今自分が抱えるかもしれないちょっとした感覚や感情を上回る」

来るシーズンに1,455万ドルのベースサラリーを受け取ることになっているマシューは契約の最終年に入っている。29歳のマシューは現在、セーフティの中で5番目に高い総額4,200万ドル、6番目に高い年平均額1,400万ドルの契約下にいる。今もハイレベルのプレーを続けている一方、スーパーボウルの有力候補であり続けているチーフスが再びマシューに大型契約を与えるかは疑問の生じるところだ。

しかし、フランチャイズの顔である選手は、マシューの残留を推している。

「彼はこのチームの最高のリーダーだし、当たり前だけど特別なフットボール選手だ」と言うのはチーフスのクオーターバック(QB)パトリック・マホームズだ。

「長くここにいてほしいし、守備陣のリーダーとして、このチームのリーダーとしてチーフスキングダムを支えているのが彼だ。確かに、できる限り、俺がここにいる限り、彼にここにいてほしい」

マホームズは2031年シーズン末までチームにとどまる契約を結んでいるので、おそらくそれは難しいだろう。それでも、このコメントは力強い支持だ。

まだ30歳になっていないマシューだが、長く曲がりくねった道を歩んできただけに、今のホームを離れたくないという気持ちも納得できる。

ルイジアナ州立大学のスターだったマシューは、ジュニアシーズンの前にチームの規定違反を犯し、その後は薬物リハビリテーションセンターに入っている。

フットボールフィールドから1年遠ざかっていたマシューは、2013年のドラフトでアリゾナ・カーディナルスから指名を受けた。5年間にわたってカーディナルスで戦ったものの、最終的には契約再構築が合意に至らず、リリースされている。

ヒューストン・テキサンズと力を証明するための1年契約を結んだマシューはトップクラスのSであることを十分に証明し、チーフスとの3年契約を手にした。この時のマシューは3シーズンで3チーム、2カンファレンス、3ディビジョンを渡り歩いたことになる。

チーフスの輝かしい攻撃陣が称賛を受けるのは正しい。一方で、マシューは2年連続でプロボウラーに選ばれている。マシューが守備のバックフィールドを導いたおかげで、チーフスは2年連続でスーパーボウルに手が届いた。

マシューはその多くをコーチングスタッフの力だとしている。コーチが自分をより優れた選手にしたのかという問いに対し、マシューはプレーの部分に限らずに指導してくれたコーチたちを称賛した。

「何より、俺が前よりいい人間になった。俺にとってフットボールは簡単だけど、人生に選手をコーチするのと同じくらい一人の人間をコーチしようとしてくれる人がいればと思う。競技のメンタルな部分がアスリートにとってすごく大きいと思うんだ。アスリートがしっかり精神的な余裕を見つけられれば、俺たちのゲームのすべてが本当に新しいレベルに到達するだろう。だから、俺がフットボールを好きなのはもちろんだが、自分の周りに適切な人たちがいることで、精神的な部分で頭がクリアになり、自分の前にあるものに集中できる。選手としてと同じくらい、人間としてコーチする時間を割いてくれた俺のコーチたちのおかげだ」

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