後輩のQBランスに「何にも自分を変えさせるな」と助言するコルツQBウェンツ
2021年06月29日(火) 11:07クオーターバック(QB)カーソン・ウェンツは最後にFCS(フットボール・チャンピオンシップ・サブディビジョン)レベルのカレッジフットボールで先発して以来、ノースダコタ州ファーゴを飛び出して見聞を広げてきた。
今、ウェンツはその見識を喜んでノースダコタ州立大学の後輩に伝えようとしている。
ドラフト全体3位でサンフランシスコ・49ersから指名を受けたQBトレイ・ランスが、ウェンツが週末に開催したチャリティーのソフトボール大会に参加した。実際にプレーすることはなかったものの、ランスはNFL入りを果たして以来のカレッジタウン帰還に満足している。ランスと同じように、ウェンツは5年前にドラフト上位で指名を受けた。そして、ウェンツと同じように、ランスもいずれフランチャイズの新たな顔になろうとしている。
ウェンツは再びチームの明るい未来の象徴となっているが、それは最初に自分を選んだチームでのことではない。フィラデルフィア・イーグルスでQBにとってもチームにとっても悪夢のようなシーズンを過ごしたウェンツは、インディアナポリス・コルツにトレードされている。まだ短いNFLキャリアにおいて、ウェンツは浮き沈みを経験してきた。ウェンツはランスの前に待ち受けるものを知っており、その上でランスにはそれに対処できるだけの構えがあると考えている。
ウェンツは『NBC Sports Bay Area(NBCスポーツ・ベイエリア)』を通じてランスに発したメッセージにて「たくさんのものがある方向に君を引っ張ったと思えば、別の方向に引っ張るものもある。プレッシャーや期待や、そういったすべてがね」と話した。
「でも、俺には分かるんだ、トレイ。その肩の上には素晴らしい頭脳がある。年齢で言えば若いけれど、とても成熟している。彼は大丈夫だって、俺には分かっている」
「彼は素晴らしい状況にいる。サンフランシスコには素晴らしい文化があるし、コーチは優秀だ。だから、彼は最高の仕事をするだろう。ワクワクしているよ。ただ自分自身であれと彼には言い続けている。“何にも自分を変えさせるな。自分の価値を変えさせるな。フットボールに対する態度を変えさせるな。ひたすらプレーするんだ”って」
最終的に新天地へ移る前、2020年にウェンツの不屈の精神は何度も試されてきた。だからこそ、ウェンツはただ儀礼的なことをマイクに向かって話しているわけではない。ただし、ランスの道のりは少なくともそれとは少し違ったものになるだろう。
ウェンツとは異なり、ランスはすぐさまチームを成功に導くべくサンフランシスコに向かうわけではない。まずはジミー・ガロポロの後ろで、プロレベルでいかに効果的なパフォーマンスを発揮するかを学ぶことになりそうだ。そして、いずれは49ersの未来を担うQBになっていく。
ランスには学ぶ時間がある。フィラデルフィアでただちにそれを完了させなければならなかったウェンツとは違うところだ。2020年の不調によってイーグルス時代が終わるまで、ウェンツは真の才能の持ち主だと見られていた。ランスがそういった激しい状況に置かれることはないはずだ。少なくとも、現段階での予想としては。
どういった状況であれ、ランスはウェンツが指摘するようなプレッシャーを感じることだろう。ランスがどういったキャリアをたどるかは、いずれ時間の経過とともに見えてくる。今のところ、ランスにはウェンツの助言を実行し、「ひたすらプレーする」ための時間がたっぷりあるようだ。
【A】