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スーパーボウルでの大敗をバネにタイトル獲得に意気込むチーフスTEケルシー

2021年07月09日(金) 13:55


カンザスシティ・チーフスのトラビス・ケルシーとタンパベイ・バッカニアーズのラボンテ・デービッド【AP Photo/David J. Phillip】

31対9。

5カ月前、第55回スーパーボウルでタンパベイ・バッカニアーズに22点差で敗れた際の傷は、今もカンザスシティ・チーフスの面々の中でうずいている。かつてはディフェンディングチャンピオンまで待ったなしだと思われていたチーフスだが、2月に強烈な一撃をくらった今、NFLの高みに戻るためにいくつかの仕事をこなさなければならない。

チーフスのタイトエンド(TE)であるトラビス・ケルシーは、チームがNFL最大の舞台でタンパベイに崩壊させられていくのを目にする感覚を忘れていない。

「ものすごくいたたまれない。タンパでのあの敗北はな」とケルシーは現地8日(木)に『NFL Total Access(NFLトータル・アクセス)』で放送された『NFL Network(NFLネットワーク)』のパトリック・クレイボンとブランドン・フラワーズとのインタビューで語った。

「ああいう大敗を喫した後でモチベーションがなかったとしても、何が悪いのか分からない。でも、俺はこれまで以上にもう一つ勝ちたいと思っているし、それはあのビルにいるみんなが思っていることだ」

「だからこそ俺はカンザスシティが好きだし、俺たちには上から下まで最高のメンバーがいる。フロントオフィスのヘッドであり、チーフスオーナーのクラーク・ハントは素晴らしい仕事で適材適所の形を整えてくれた。今年は新しい人がきてなおさらそうなっている。ただエキサイティングな時期だし、皆がとにかくもっと良くなり、そこでスーパーボウルに勝とうとモチベーションを高めている」

いたたまれない、とは、一方的な試合を見たファンたちの心もよく表す言葉だろう。第55回スーパーボウルで展開されたのはロンバルディトロフィーを競う現代フットボールの爆発的なゲームではなく、かつて威勢を誇ったチーフスが次第に崩壊していくさまだった。チーフスはバッカニアーズのパスラッシュからクオーターバック(QB)パトリック・マホームズを守れなかった。

チーフスはオフシーズンの間にオフェンシブライン(OL)を強化し、タックル(T)オーランド・ブラウンをトレードで獲得したほか、フリーエージェンシーを通じてガード(G)ジョー・トゥニーやセンター(C)オースティン・ブライスと契約。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響でオプトアウトしたローレント・デュバニー・ターディフが復帰し、マイク・ラマ―スが右タックルのスポットに収まる。

2020年シーズンの終わりには、負傷によってオフェンシブライン(OL)がチーフス最大の弱点になっていた。チームはオフシーズンの動きによってこの問題が解決されたことを望む一方、守備陣もディフェンシブタックル(DT)ジェイラン・リードとの契約によって強化されている。

オフシーズンの間、チーム外のメディアからはチーフスは果たして打倒可能かとの疑問が上がっている。その一方で、チーフス内部の面々は2021年がそれほど保証されたものだとは考えていない。それでも、希望を持つコンテンダーたちは、究極の目的地へ向かう上でいつかは通過しなければならないのがカンザスシティだと考えている。

ケルシーはそういったライバルたちの足を止め、チームのかたきを討つためにそこにいるだろう。ケルシーとチーフスが目標に向けて順調に進んでいくかは、この秋から冬に見てみよう。

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