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ブラウンズQBメイフィールド、新契約は「全てなるようになる」

2021年07月22日(木) 19:58


クリーブランド・ブラウンズのベイカー・メイフィールド【AP Photo/Jeff Roberson】

7月も下旬に入ったが、契約状況についてクオーターバック(QB)のベイカー・メイフィールドに尋ねたなら、彼は4月以来繰り返している同じ言葉を口にするだろう。

最も重要なのは勝つことであり、残りはなるようになる、と。事実、現地20日(火)に彼は再びそう述べた。

「俺は勝つことだけを考えている」と『Associated Press(AP通信)』のトム・ウィザーズを通してメイフィールドは述べた。「そして、全てはなるようになる。全く心配はしていない。俺たちが勝てば、正しい方向に進んでいるってことだからね」

2002年以来のプレーオフ進出を果たし、1994年以来となるポストシーズンでの勝利を挙げたクリーブランド・ブラウンズの矢印は2021年にポジティブな方向を指している。もちろん、メイフィールドは昨シーズンの結果が新たな戦いにおいて何の意味も持たないことを知っている。2021年の彼とチームのアプローチついて、彼の言うことは正しい。

「俺たちは新たにスタートしなければならない。基礎をそのままに、すでに敷いたブロックの上にまた組み立てていくんだ」と彼は述べた。「当たり前のことなんて何もない。自分たちで努力してつかむんだ。同じ選手がいて、同じシステムだからって、それだけでうまくはいかない。しっかり自分たちの仕事をする必要がある」

メイフィールドがマイクの前に立つたびにこの話題が持ち上がるのには理由がある。20年近く、平均かそれ以下のQBプレーから脱せずにいたブラウンズが、ようやくドラフトのQB指名で当たりを引いたのだ。それがメイフィールドだった。ルーキーとして印象を残し、2年目は落胆させたが、昨年は復活してブラウンズにかけられたポストシーズンの呪いをはらった。

地元のヒーロー、バーニー・コサルがリリースされたビル・ベリチック時代の悪名高い判断にさかのぼり、ブラウンズはQBに関して安定性の問題を抱えている。19年間も平凡なQBしかいなかったことが、その不安定さをさら深刻化させた。だが、今はフランチャイズQBといえるメイフィールドがいることで、ファンや地元メディアのメンバーはようやく、そのポジションに安定を見いだしている――少なくとも前世紀以来の。

彼らは、チームに何としても不安定な未来の懸念を打ち消す長期契約を結んでほしいと願っている。メイフィールドはジョニー・マンジールのようにはならないことを示したが、ブラウンズファンとしては彼がもう1人のレブロン・ジェームズになるのも勘弁してほしいところだろう。

クリーブランドとしてはメイフィールドがジェームズのようにブラウンズをタイトルに導いてくれるなら、何を犠牲にしてもいいと思うだろうが、彼が去っていくのを一度ならず二度までも見たくはないはずだ。契約が延長されれば、こうした懸念は確かになくなる。

メイフィールドの代理人を務めるジャック・ミルズはこの夏、“夏の間に何かがなされる”と述べているが、それが契約の完了かどうかは分からないと付け加えて、“何か”について解釈の余地を残した。単に議論を行うだけかもしれないが、ミルズが述べているように、メイフィールドには他のQBの契約延長が終わるまで交渉を長引かせる考えはない。

だが興味深いことに、結果的にそういう展開になる可能性はある。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは現地21日(水)、ブラウンズがランニングバック(RB)ニック・チャッブとコーナーバック(CB)デンゼル・ウォードの契約延長に財政的努力を集中させたとしてもショックは受けないと述べた。2人は同じ2018年ドラフト組のメンバーだ。

「ベイカー・メイフィールドに関しては、もう少し様子見といったアプローチだ」とラポポートは『NFL NOW(NFLナウ)』で述べた。「ブラウンズが手の内を見定めているのではない。私はただ、先になされる他のQB契約があると言っているだけだ。自分の知る情報から判断するに、ブラウンズが今シーズンはチャッブとウォードの契約交渉に集中して、ベイカー・メイフィールドは次のオフシーズンに回したとしても驚かない」

彼らはすでにメイフィールドとウォードの5年目オプションを行使しており、どちらも契約年にはあたらないため、少なくとも2人との延長を待てるだけの保証はあるということだ。一方、チャッブに関しては今年が契約年になる。元2巡目指名の彼には5年目のオプションが存在しない。理論的には、延長契約を結ぶべき序列では彼が先頭ということになる。

ブラウンズはすでに、ルーキー契約の終了間際にキープレーヤーたちを囲い込むことを恐れないと証明している。彼らは2017年の全体1位指名、ディフェンシブエンド(DE)マイルズ・ギャレットと1年前に1億2,500万ドル(約137億8,900万円)の5年契約を結んでおり、リーグ屈指の有望エッジラッシャーを確保した。ブラウンズはさらに、こうした延長契約がしやすくなるように、ディフェンシブタックル(DT)シェルドン・リチャードソンをリリースして短期的なサラリーを節約しており、2022年にロールオーバーされると思われるキャップスペースを空けて、より高額な契約延長に向けた準備を静かに進めている。

キャップに影響を与えるそうした契約の1つがチャッブのものだ。だが今のところは全て予測と見通しに過ぎない。そして、ペンのインクが乾くまで、メイフィールドは自身の契約について同じ質問を受け続けることになり――同じ答えを繰り返すのだろう。

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