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44歳になったバッカニアーズQBブレイディが誕生日に休暇をもらう

2021年08月04日(水) 15:35


タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Chris O'Meara】

トム・ブレイディ、お誕生日おめでとう!

8月3日にG.O.A.T.は44歳になった。ほとんどのフットボール選手であれば、この年齢でチームをスーパーボウル優勝へと導いていることはなく、すでに10年ほど引退生活を満喫しているところだろう。

タンパベイ・バッカニアーズのヘッドコーチ(HC)ブルース・エリアンスは、TB12がこの世に生を受けた日を記念して、このクオーターバック(QB)に休暇を与える予定だと話していた。

『The Tampa Bay Times(タンパベイ・タイムズ)』のリック・ストラウドによると、エリアンスHCは現地2日(月)に「この年まで戦うために、彼の中にまだ燃えている炎があることが素晴らしい。彼にはご褒美として一日休暇をあげるつもりだ」と述べたという。

先週の練習ではボールを蹴ったり、ヘルメットをフィールドに叩きつけたりと、練習が思うよういかずにいら立ちを露わにしていたブレイディは、果たして休みたいと思っているのだろうか。

(最新情報:彼は休みを取ることにした。ブレイディは背番号12番のオレンジ色のジャージを着てバッカニアーズの練習に顔を見せたものの、チームのドリルには参加していないと『The Athletic(ジ・アスレチック)』のグレッグ・アーマンが報じている)

ブレイディが44歳を迎えるにあたり、「柔軟王」とも呼ばれている彼のプロフットボール人生がどれほど規格外であったかを見てみよう。

44歳以上で現役のQBとしてパスを投げた選手はこれまでに4人しかいない。直近ではカロライナ・パンサーズのビニー・テスタバーディが44歳で2007年第14週(12月9日)のジャクソンビル・ジャガーズ戦に出場し、28回のパスアテンプト中13回を成功させ、84ヤードとインターセプト1回を記録。チームは37対6で敗れている。

NFL史上、44歳以上でパスを試みた選手たち:
• カロライナ・パンサーズのビニー・テスタバーディ、2007年、パスアテンプト91回、タッチダン4回、インターセプト5回、パサーレーティング62.1
• 殿堂入りのウォーレン・ムーン、2000年(カンザスシティ・チーフス)、パスアテンプト31回、タッチダン0回、インターセプト1回、パサーレーティング38.4
• アトランタ・ファルコンズのスティーブ・デバーグ、1998年、パスアテンプト59回、タッチダン3回、インターセプト1回、パサーレーティング80.4
• 殿堂入りのジョージ・ブランダ、1971年~1975年(オークランド・レイダース)、パスアテンプト80回、タッチダン6回、インターセプト7回、パサーレーティング57.0

ディフェンディングチャンピオンのチームとともに、ブレイディは今シーズンにこれらのスタッツをすべて更新するはずだ。

44歳以上のQBが先発として残した戦績は全員合わせて1勝4敗。その中で唯一勝利を挙げたのは、2007年第13週のサンフランシスコ・49ers戦を制したパンサーズのテスタバーディだ。44歳の誕生日を迎えてからテスタバーディはパンサーズで1勝2敗を記録した。ムーンは2000年にチーフスで0勝1敗(第13週のロサンゼルス・チャージャーズ戦で敗戦)、デバーグはファルコンズで1998年に0勝1敗(第8週のニューヨーク・ジェッツで敗戦)。ブランダは当時変わった状況に置かれており、44歳を超えてもパスを投げていたものの、レイダーズではフルタイムのキッカーであり、ダリル・ラモニカとケン・ステイブラーが先発QBだった。

ブレイディはフットボール界で桁外れというだけでなく、彼の功績は他の主要なチームスポーツの中でも群を抜いている。

ブレイディはキッカー以外のポジションとして44歳以上でシーズン中に複数試合に出場するNFL史上7人目の選手となる。1920年以降の4大スポーツで、44歳以上の選手が複数の試合に出場した人数を見てみると、NBA(2人)だけがNFLよりも少ない。MLBには最も多くの選手(49人)がいるが、そのうちの19人は1920年から1960年にかけて活躍しており、全体の38.8%を占める。NHLの該当選手は8人。

昨年、7度目のロンバルディトロフィーを手にしたブレイディは、43歳にしてすでに数々の年齢に係る記録を打ち立てている。

• スーパーボウルに出場・優勝した最年長選手。
• 第55回スーパーボウルのMVP:北米4大スポーツリーグ(NFL、MLB、NBA、NHL)の優勝決定戦/シリーズでの最年長MVP。
• プレーオフで先発した最年長QB(少なくとも1950年以降)。
• プレーオフの試合でタッチダウンパスを投げた最年長選手。
• 1シーズンに40回以上のタッチダウンパスを記録した最年長選手。

殿堂入りしたQBたちが44歳のときに何をしていたのか気になる方のために、ここでは数名の例を紹介しよう。

• 41歳で引退したブレット・ファーブは44歳だった2013年にラムズからNFL復帰の打診を受けるも、断っている。
• 39歳で引退したペイトン・マニングは44歳でタイガー・ウッズと組み、ゴルフの対戦でブレイディとフィル・ミケルソンのペアを破った。
• 38歳で引退したジョン・エルウェイは44歳でアリーナ・フットボール・リーグのコロラド・クラッシュの共同経営者に。
• 38歳で引退したダン・マリーノは44歳のときにCBSのNFLアナリストを務めていた。
• 34歳で引退したトロイ・エイクマンは44歳でFOXの第45回スーパーボウルの解説者を務めた。

つまりブレイディは毎年、年を重ねるごとに新境地を開拓しているということだ。来年にTB12が45歳のシーズンを迎えるときには、再びこの記録を見直すことになるだろう。最大の関心事は、スーパーボウル8回目の優勝の後になるかどうかだ。

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