ニュース

QBダルトンがベアーズのナンバー1、フィールズは先発との練習がもっと必要とナギーHC

2021年08月17日(火) 12:55

シカゴ・ベアーズのアンディ・ダルトン【AP Photo/Nam Y. Huh】

シカゴ・ベアーズのクオーターバック(QB)ジャスティン・フィールズがプレシーズンの開幕戦で活躍したのを受けて、街は大いに盛り上がっている。新人のフィールズは落ち着いた様子で並外れた機動力を発揮し、オフェンスに貢献した。

QBアンディー・ダルトンを差し置いてフィールズを2021年のシーズンはじめからベアーズの先発QBとして起用するべきだという声があるにもかかわらず、ヘッドコーチ(HC)のマット・ナギーは計画通りに進めるようだ。つまり、ダルトンが第1週の先発を務める。

現地16日(月)の朝にナギーHCは、プレシーズンゲームの第2戦となる土曜日のバッファロー・ビルズ戦ではダルトンをQB1とし、フィールズをバックアップとする姿勢を繰り返し示した。

ナギーHCはダルトンが先発であることについて「その通りだ」と述べ、次のように続けた。

「われわれは一日一日の進捗やそのために必要なすべてのことに集中しなければならないと考えている。彼らがいま気にかけているのは、そのポジションでいいパフォーマンスをすることだけであり、3人に聞いてもらえれば口をそろえてそれを目指していると言うだろう。あのポジションの選手を評価するときは、バックアップを含めた全体を評価しているのだということに私は常に立ち返るようにしている。アンディーは確か6つくらいのプレーに参加したはずだ。それだけでは良いとも悪いとも言えない。これからのプレシーズンゲームで彼にはもっと多くのスナップに参加させるつもりだ。ジャスティンについては、繰り返しになるが、われわれは実際のプレーや本番の状況の中で彼を見たいと思っているし、彼もそのことを分かっている。彼にできるのはそれを続けることだけであり、そのような状況下で彼がどれだけうまくやれるかを評価できるような計画を立てなければならない。最終的にはシカゴ・ベアーズにとってベストなことが、われわれがやるべきことだ」

この時期になるとNFLのコーチはオフシーズンの計画を忠実に守り、プレシーズンのパフォーマンスに過剰反応しないことにこだわる。ナギーHCはその筋書を忠実に守っているというわけだ。

今週はダルトンのレップスが増えるとナギーHCは話す一方で、フィールズがワイドレシーバー(WR)アレン・ロビンソンや他の先発選手たちともっとプレーすることを望んでいる。

フィールズが先発選手と一緒に練習することの価値を聞かれたナギーHCは「それは本当だと思う」と答えている。「そういう状況の中で見極める必要があると私は思っている。オフェンスの選手の中でプレーすることについて、彼はすでに練習でそれをできている。その一方でファーストチームのディフェンスとの対戦で彼がどのような活躍をするかを見るのも重要だ。その2つを合わせることが評価の対象ともなる。プレシーズンの今の段階で策略的なものは何もない。皆無だ。動画もあまり見られていないし、1対1で勝てるかを試すコールしか使われていない。できるかできないか。それが見極めるためのバランスだ。われわれが見たいのはプレー中の選手の強さだ。だから、そうだな、彼とオフェンスチーム、そして彼が相手と対峙したときのプレーを両方見たいと思っている」

フィールズを見れば、QBのポジションにフランチャイズのスター選手を待ち望んでいたベアーズのファンが興奮するのも無理はない。NFLの試合は思っていたよりもスピードが遅かったと試合後にコメントしたルーキーは、冷静さと優れたパスの才能を発揮した。彼の運動能力はナギーHCのオフェンスに欠けていた読まれにくいプレーとプレーメイキングの要素を提供することができる。

ファンの興奮やメディアによる若手選手の活躍を求める声をコーチが無視するのは簡単だ。しかしながら、ロッカールーム内の選手が、なぜルーキーがベンチに控えているのかと疑問を持ち始めればそれはまったく別の問題となる。QBパトリック・マホームズがルーキーシーズンのほぼすべてをベンチで過ごしたときにカンザスシティ・チーフスのスタッフだったナギーHCは、ベアーズでそのようなことは問題にならないと主張した。

ナギーHCは「それは予想していたことだから問題ない」と述べた。「周りが興奮しているのは当然だ。その状況にうまく対応して理解しなければならない。みんなが彼の活躍を期待しているのは分かっている。それは良いことだし、試合で活躍してほしいと思っている。同時にこのような状況では、アンディーのような選手に何か問題が起きたときには、ジャスティンが良いプレーをしていれば、その問題は解決するということも分かっている。しかし、そうではなく、これはわれわれが計画し、準備してきたことであり、ジャスティンはそれをすべて理解している。それが彼の魅力だ。彼はプランやプロセスをちゃんと理解している。他の選手だってそうだ。試合本番では全力を尽くして来いと彼に伝えた」

フィールズがダルトンを追い越すのは時間の問題だと思われる。それまでナギーHCは忍耐強いアプローチを続けるだろう。

プレシーズン2戦目でフィールズが再び活躍すれば、ナギーHCに計画の中止を求めるプレッシャーがさらにかかるに違いない。例えダルトンがロサンゼルスで第1週に先発したとしても、遅かれ早かれベアーズではフィールズが司令塔になるだろう。

【R】