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セインツはテイサム・ヒルではなくジェイミス・ウィンストンを先発QBに指名へ

2021年08月28日(土) 04:11

ニューオーリンズ・セインツのジェイミス・ウィンストン【AP Photo/Derick Hingle】

予想された通り、現地23日(月)に2度目のプレシーズンゲームを終えたジェイミス・ウィンストンが、今シーズンのニューオーリンズ・セインツの先発クオーターバック(QB)になりそうだ。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは27日(金)、セインツがウィンストンを先発指名するようだという情報を入手している。

それは、もう一度先発としての実力を証明するチャンスをウィンストンに与えることに加えて、報酬アップも意味することになる。ラポポートによると、1年で550万ドル(約6億円)のウィンストンの契約には、700万ドル(約7億7,000万円)のインセンティブが含まれているという。先発を続けることができれば、インセンティブの大部分は十分に達成可能となる。チーム担当ライターのニック・アンダーヒルはインセンティブの内訳を把握しているという。

ニューオーリンズの2021年シーズンは9月12日(日)、スーパードームでグリーンベイ・パッカーズを相手に幕を開ける。

元全体1位指名のウィンストンはテイサム・ヒルとの戦いに勝って先発の仕事を手に入れた。2人の差は、月曜日のジャクソンビル・ジャガーズとのプレシーズンゲームで明らかだった。

この日のウィンストンは輝き、強力なディフェンスを相手に爆撃を降らせ、10回中9回のパスを成功させて123ヤードを獲得、ゴージャスな2度のタッチダウンを挙げた。試合中、ウィンストンはポケットでの落ち着き、プレッシャー下での冷静さ、そしてディフェンスの目的を読み取る天性の感覚――先発に望まれる全ての要素を見せていた。

ワイドレシーバー(WR)マーキス・キャラウェイへの2つ目のタッチダウンパスは絵に描いたように完璧だった。ウィンストンは全面的にプレッシャーを読み、1対1のレシーバーを認識し、ポケットで時間を稼いで、フリーになったラッシャーがやってきた時にはパイロンに向けてパーフェクトなボールを投げていた。

タンパベイ・バッカニアーズ時代は向こう見ずなプレーをしがちだったが、ヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンのオフェンスの中で、その荒さが取れるのではないかと期待される。セインツは、時にポケットでふらつくウィンストンの癖を抑え、できる時にはチェックダウンを決められるようにしなければならない。フットワークを改善すれば、このプレーシーズンで特にロングのサイドラインへのトスで何度か見られた、低いスローも避けられるようになるはずだ。

1つ確かなことがある。セインツのオフェンスにディープショットが戻ってきた。

過去何シーズンか、ドリュー・ブリーズの腕力の衰えによって彼らのオフェンスは動きを制限されていたが、ウィンストンのビッグアームは再び健全なストレッチを取り戻すことにつながるだろう。元1巡目指名はボールをシーム沿いに遠く投げるのを最も得意とする。ウィンストンを司令塔に、今シーズンはペイトンの計画による多くのショットを見ることになるだろう。

ウィンストンを先発にすることで、オフェンス内でヒルをガジェット的な役割に戻せるという利点もある。31歳のヒルは時に才能を見せたものの、このプレシーズンのプレーには浮き沈みがあった。標準的なスキームでオフェンスの様子を見るために、ペイトンは彼が得意とする直接のランプレーをコールしなかった。ヒルはいくつか良いスローを見せたが、レシーバー陣との連携が悪く、プレッシャーに対して苦戦し、フルタイムの先発としては精度が悪すぎた。逃げるランナーとしては優秀だが、ポケットが崩壊した時のクオーターバックスクランブルはあまり得意ではない。

ヒルを先発に指名した場合、ペイトンはまったく違うタイプのオフェンスを作らなければならないのは明らかだった。

ウィンストンを指揮者に据えることで、セインツはヒルをQB/ランナー/タイトエンド(TE)/レシーバーとしてあちこちで生かすことができる。それは守備コーディネーター(DC)たちを毎週悩ませることになる。

ウィンストンは昨シーズン、キャリアを再点灯するという希望を持って、ブリーズとペイトンから学ぶためにセインツにやってきた。

そのチャンスを彼は得たことになる。

【M】