ピッツバーグ・スティーラーズのスターパスラッシャーであるT.J.ワットは契約延長を目指しながらも、プレシーズンはもちろん、練習のチームドリルでさえ、1ダウンもプレーしていない。それにもかかわらず、ヘッドコーチ（HC）マイク・トムリンはT.J.ワットが水曜日の練習に参加し、週末に控えるバッファロー・ビルズとのシーズン初戦に出場して好プレーを見せてくれるはずだと信じている。

トムリンHCは現地7日（火）に開かれた記者会見で「契約の件については何かしら成し遂げられると楽観的に考えている。それはさておき、明日には彼が仕事に取り組むと期待している。明日は彼が参加するという前提で進めている。それが私の取っているアプローチだ。明らかな理由によって休んでいたが、先ほども申し上げた通り、このチームの進行プロセスにおいては理由が何であれ、働いていない者に関してはほとんど焦点を当てない。明日は彼が働いてくれるという前提で私は進めているし、彼がその才能を（OLBの）コレクションにもたらし、かつ、彼らの成長につなげ、願わくは今週末だけでなく、2021年シーズンを通して質の高いプレーを見せてくれることを期待している」と述べた。

ワットはルーキー契約の最終年を迎えており、2021年には1,000万ドル（約11億0,300万円）以上の収入を得ることになっている。オールプロに選出されること2回、2020年には15回のサックをマークしてNFLトップに立つなど、その契約をはるかに上回る活躍を見せている。しかしながら、スティーラーズは厳しい交渉相手になることがあり、その結果、選手とチームの間でプレシーズン中にこう着状態が続くことがある。

ワットがどの程度の練習量を必要とするかについて、具体的には明かさなかったトムリンHCだが、参加したとして、順応を目的とした数回のスナップに制限される可能性はある。それでも、トムリンHCはワットのような優秀なプレーヤーにはそれほど多くの練習時間は必要ないとも明言している。

「耳で聞いて判断する。彼が通常の、あるいは普通の選手だと仮定するつもりはない。彼のようなポジションにいる選手は特有の才能やスキルセット、意志があるからこそ、その立場にいるのだと思うからだ。私はこのレベルの世界に長く携わってきたので、特殊な才能を持った人々が逆境に直面しても、それを上回る力を発揮する姿は見慣れている」

「私はこのプロセスが順調に進んでいくと楽観していた。その楽観さがあったからこそ、今週末以降に彼が質の高いプレーを見せてくれると期待しているのだ」

とはいえ、誰もがトムリンHCのように今週中にもワットとの契約が成立するとは楽観していない。『NFL Network（NFLネットワーク）』のアディティ・キンカブワラは、契約1年目以降の完全保証額を提示しないというスティーラーズの基本的な姿勢が交渉のハードルになっていると報じている。

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