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パンサーズとの契約成立直前にラムズに傾いたQBスタッフォード

2021年09月13日(月) 11:48

ロサンゼルス・ラムズのマシュー・スタッフォード【AP Photo/Jae C. Hong】

当時デトロイト・ライオンズにいたクオーターバック(QB)のマシュー・スタッフォードは、新しいチームを探し始めたときにロサンゼルス・ラムズ、インディアナポリス・コルツ、そしてサンフランシスコ・49ersを有力候補に挙げていた。情報筋によれば、スタッフォードにとってこの3チームが最初の候補だったが、他の選択肢を考える余地もあったとのことだ。

そんな中、1月下旬に動きを見せたチームがいた。カロライナ・パンサーズだ。積極的だったパンサーズは、シニアボウルが終わる頃にはスタッフォードとほぼ話がついていたと情報筋は伝えている。関係者の中には、自分たちがスタッフォードとの契約を勝ち取ったと思っていた人も何人かいたくらいだ。

現地12日(日)のシカゴ・ベアーズ戦にラムズの選手として初めて先発したスタッフォードが意思表示をしたのはそのタイミングだった。家族と相談した結果、スタッフォードも家族もラムズに行くことを希望していると明言したのだ。スタッフォードは自分の意見を主張し、ライオンズの幹部もそれを受け入れた。

これによって、1巡目指名権とQBテディ・ブリッジウォーターを差し出していたパンサーズが突然スタッフォードの獲得戦線から離脱する形となった。

複数の関係者が初めて説明したように、紆余曲折あった末にスタッフォードはロサンゼルスへと向かったのだ。成立しかけていたパンサーとの契約をスタッフォードが取りやめたせいで、ラムズは条件を格上げしなければならず、将来の1巡目指名権2つとQBジャレッド・ゴフをオファーに含むことになった。

スタッフォードに対する他のオファーの規模も大きかった。オーナーのジム・アーセイが主導していたコルツ、デンバー・ブロンコス、ワシントン・フットボール・チームなど、ほとんどのチームはドラフトの高順位の指名権を複数提示していた。

ライバルのベアーズでさえ、自分たちもスタッフォードの獲得争いに参加していることを明らかにしており、ディビジョン内のトレードを実現するためにはより良い条件を提示する必要があると考えていた。49ersは興味を示し続けていたが正式なオファーはせず、ニューヨーク・ジェッツも同様だった。

そして周知の通り、これらの出来事が起こっている最中にラムズのヘッドコーチ(HC)であるショーン・マクベイはメキシコでスタッフォードと遭遇している。2人は一緒に食事をし、カボのジャグージに入っている間に契約が成立したと複数の関係者は冗談を言っている。ライオンズはスタッフォードと代理人のトム・コンドンに話す許可を各チームに与えていたため、裏工作の必要はなかった。

ある関係者の説明によると、マクベイHCがスタッフォードと話して関与することでラムズの関心が一気に高まり、トレードの条件が上がったとのことだ。パンサーズとの契約が破棄された時点で、ラムズは自分たちのオファーが強力なものでなければならないことを分かっていた。

パンサーズが1月30日のシニアボウルを終えて、契約が成立したと思いながら帰路についている頃、ラムズがスタッフォードとの契約をまとめていたのだ。実際のところ、スタッフォードはラムズ以外との契約を反故にする可能性は高かったと、関係者は明かしている。

最終的にスタッフォードは自分の望んだ場所にたどり着いた。ロサンゼルスの人々はスタッフォードがいかに素晴らしいかを口々に語っているが、それが日曜日の夜に現実のものとして見え始めている。

【R】