コルツQBウェンツ、足の手術からの復帰に「制限はなし」
2021年09月13日(月) 12:19インディアナポリス・コルツ――現地12日(日)に行われたシアトル・シーホークスとのシーズン初戦でカーソン・ウェンツはコルツの先発クオーターバック(QB)としてデビューを果たした。足の手術によってシーズン開始時の状態が脅かされてからまだ6週間も経っていないため、チームは慎重に対応しているところだとはいえ、あらゆる制限は解除されている。
ヘッドコーチ(HC)フランク・ライクは金曜日に『NFL.com』に対し、「何ができるかというと、彼は何でもできる」と語り、次のように続けていた。
「実際に何をコールするのか? 少しは制御しておくのか? たぶんね。そうなるかもしれない。それは理にかなっている。私たちは管理するだろう。スマートにやるつもりだ。(ゲームプランの)中にはわれわれがコールするものがあるかもしれないが、もしその必要がなければ“ああ、リスキーなことはやめよう”と判断する。でも、彼はよい状態だと思う。ケガの兆候はすべて、どんな形であれ彼が制限されないことを示している」
ライクHCはウェンツが「おそらく痛みを感じており、100%のコンディションだと感じていないと思う」と金曜日の練習後に認めている。ウェンツがポケットからプレーして、あまり走り回らずに済むのが理想的だとライクHCは話していたものの、ウェンツは練習でかなり良い機動力を発揮しているようだ。
8月2日(月)に足の骨の断片を取り除く手術を受けたウェンツの回復には当初、5週間から12週間かかると言われていた。5年連続で第1週の先発QBが異なるコルツにとってウェンツは勝利の可能性を生みだす存在だった。
2月にフィラデルフィア・イーグルスから2021年ドラフト3巡目指名権と2022年ドラフトの条件付き2巡目指名権を引き換えに獲得されたウェンツは、2017年NFL最優秀選手賞(MVP)の最有力候補に挙げられていたとき、つまり、膝に壊滅的な負傷をする以前にイーグルスの攻撃コーディネーター(OC)を務めていたライクと、インディアナポリスで再会を果たした(その後、イーグルスではQBニック・フォールズがウェンツに代わってチームを第52回スーパーボウル制覇へと導いている)。背中のケガや脳震とうの影響もあり、ウェンツは最終的にイーグルスを去った。そのため、コルツでのキャリアをサイドラインからスタートさせるのは魅力的な話ではなかっただろう。
タイムテーブルはウェンツが最終的に受けた手術の種類次第であり、デビッド・ポーター医師が施術するまでどうなるか分からなかった。ポーター医師が欠けた骨を固定するためにネジを挿入する必要があると判断すれば――関係者の間ではそうなるのではないかと危惧されていた――復帰に2カ月から3カ月かかっていただろう。
しかし、ポーター医師が骨片を取り出したところ、他に損傷は見られなかった。この時点で予定されていたスケジュールは4週間から6週間に短縮されている。ウェンツが感染症やその他の合併症を起こさずに最初の2週間を乗り切れば、コルツは彼が第1週に間に合う可能性が高いと確信していた。
ライクHCは「すべて完璧だった。最初の2週間は問題なく過ごし、予定よりも早く、手術から8日から9日後にはすでに行動し始めてフィールドで複数の型やフォームでボールを投げていた。私は、“おお、頑張っているな”と思ったが、その後も順調に進んでいった」と述べている。
その後、もうひとつ混乱があった。ウェンツが11対11の練習に復帰する予定だった8月30日(月)に、ウェンツと2人のチームメイトに陽性反応が出たスタッフとの濃厚接触があったとしてリザーブ/COVID-19リストに置かれ、5日間の隔離を余儀なくされたのだ(NFLとNFL選手会(NFLPA)のプロトコルではワクチン接種が完了していない選手に限り、陽性反応が出ずとも隔離措置が強いられる。ウェンツは復帰後、ワクチン接種の判断は「流動的なプロセスだ」とコメントしている)。
とはいえ、ウェンツは第1週に向けた準備が始まったときにはフィールドに戻っており、この1週間は毎日、故障者報告にフル参加と記載されていた。ウェンツは新しいチームメイトやライクHCがイーグルスで行っていたものとは異なるオフェンスを学び続けており、トレーニングキャンプの第1週以来、最も広範な練習に励んできた。
「タスクに取り組む時間は大きな意味を持っている。彼はとにかく練習を制限されてきた。これは言い訳ではなく、現実だ」と述べたライクHCは「彼はシャープになってきているようだし、日に日に良くなっているのを感じている」とつけ加えている。
【RA】