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大荒れの試合に「猫みたいな」生き死にを繰り返したレイダースHCグルーデン

2021年09月14日(火) 17:56


ラスべガス・レイダースのデレック・カー【AP Photo/David Becker】

ラスベガス・レイダースは自分たちが勝利したのだと思った。タッチダウンがコールされ、両サイドのベンチは空になり、ファンも歓声を送り始めた。しかし、リプレーレビューによって、ワイドレシーバー(WR)ブライアン・エドワーズの長く伸ばした腕がゴールラインまであとわずかに届かないまま、膝がグラウンドについていたことが確認された。

何もかもすっかりクレイジーになってしまったのはそこからだ。

続くレイダースの攻撃で、QBスニークを試みた際にフォルススタートが取られた上に、エンドゾーンではインターセプトされてしまったのだ。

その後まもなく、ボルティモア・レイブンズにもファンブルがあり、混乱を極める展開の中で、クオーターバック(QB)デレック・カーはオープンになっているWRゼイ・ジョーンズを発見。タッチダウンパスは成功し、期待外れなほどあっさりと勝敗が決まった。最後のスローは、このダウンに予定されていたものではなかった。レイダースはフィールドゴールのフォーメーションを取っていたものの、ディレイオブゲームのペナルティを科された後で方向性を転換したのだ。

レイダースのヘッドコーチであるジョン・グルーデンは33対27での勝利について「まるで一度死んでまた生き返り、また死んだような感じだった」と語っている。

「猫みたいなものさ。今夜の私は命をいくつか持っていた。そういうプレーは好きじゃないね。タフだったが、今夜は本当に良いプレーをしてその試合に勝った」

その多くが第4クオーターとオーバータイムで見られた。レイダースは通常の試合内の最後の3回のポゼッションで得点を挙げ、オーバータイムの序盤にレイブンズ側1ヤードラインまで攻め入った。というのも、当初はエドワーズがカーからの32ヤードのパスをキャッチし、ゴールラインの向こうに手を伸ばしたときに、この日の試合は終わったと思われていたのだ。しかし、エドワーズの膝の方が、コンマ数秒早く地に着いていた。

レギュラーシーズンに初めて観客をアレジアント・スタジアムに迎え入れたレイダースは、一度もリードすることのなかった試合で勝利を収めるまであとわずかだった。ランの失敗とペナルティによって6ヤードラインまで下がったレイダースは、カーのパスによって攻撃するも、ボールはWRウィリー・スニードの手からレイブンズのセーフティ(S)デション・エリオットのヘルメットを経て、待ち構えていたレイブンズのコーナーバック(CB)アンソニー・アヴェレットの手に収まった。

しかし、レイブンズQBラマー・ジャクソンに対するディフェンシブエンド(DE)カール・ナッシブのストリップサックを頂点とするレイダース守備陣の奮闘が、すぐにボールをカーの手に取り戻してみせた。そこから2プレーを経て、カーはこの日最も簡単なスローによって、タッチダウン2回、435ヤードを記録した夜に幕を引いた。その少し前のインターセプトの記憶は、勝利の一撃によってすべて吹き飛んだ。

劇的などんでん返しについて、カーは『ESPN』に「俺は、俺はこんな感じじゃない。何を言ってるか分かるだろ? こんな風に負けるわけにはいかないからな」と話した。

「俺たちはこれを勝ち取るために、こんな位置にいるよりはあまりに多くのいい仕事をしてきた。だけど、俺が一番満足しているのは、12カ月も皆が俺たちのディフェンスの悪口を言ってきたが、彼らはステップアップして最高の形で終わらせ、俺たちにボールを取り戻してくれたおかげで勝てたことだ」

数で言えば1勝に過ぎないが、人々の心にはこれ以上ない形で残る勝利だった。

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