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ブラウンズ戦を前に、古巣との対戦は「選手としての成長を示すチャンス」とテキサンズQBテイラー

2021年09月17日(金) 15:29


ヒューストン・テキサンズのタイロッド・テイラー【AP Photo/Eric Christian Smith】

タイロッド・テイラーは2018年につなぎ役のクオーターバック(QB)としてクリーブランド・ブラウンズに加入した。そして今、テイラーはほんのり甘い復讐の蜜を味わうべく、再びクリーブランドへと赴く。たとえ、本人がそう認めていなくても。

2019年にクリーブランドを離れて以来、テイラーは初めてその地に戻ってくる。今週末、テイラーは先発QBとしてファーストエナジー・スタジアムに立つのだ。今回はヒューストン・テキサンズの一員として、シーズン第1週のジャクソンビル・ジャガーズ戦でパス33回中21回成功、291ヤード、タッチダウン2回とパサーレーティング112.1――2017年以来、先発として最高の数字――を記録した上で。

近年にブラウンズで過ごしたことのあるテキサンズのメンバーはテイラーだけではない。テイラーは今のチームメイトであるコーナーバック(CB)テレンス・ミッチェル、ラインバッカー(LB)クリスチャン・カークシー、そしてブラウンズの地元オハイオ州出身でもあるタイトエンド(TE)ファラオ・ブラウンと共に再びクリーブランドの土を踏む。

テイラーは「つまり、元のチームと対戦するときっていうのは、間違いなく自分が選手としていかに成長したかを示すチャンスなんだ」と話している。

「もちろん、彼らは俺よりも長くクリーブランドで時を過ごした。俺は1年そこにいて、3試合にしか先発せず、3試合目でケガをした。誰もがそれぞれのストーリーを持っているのさ」

「戻ることにエキサイトしてるかって? ああ、そうだな。でも、それは自分のためじゃなくて、日曜日に実力を出すためにこの一週間を通して一生懸命やってきたチームのためだ。俺のことや、前のチームと戦うことに対する俺の感覚なんて関係ない。そう、それも一部だけど、それを大ごとにする気はない。ロッカールームにいる皆と同じくらい、この週末に力を出すことが大事なんだ」

ブラウンズでの初戦に引き分け、2試合目で敗北したテイラーは、3試合目の途中で負傷したことでチャンスを失った。テイラーに代わって、その年のドラフト1巡目でブラウンズが指名したベイカー・メイフィールドが活躍すると、クリーブランドの街はすっかりこの新人と恋に落ちてしまった。

短く終わったブラウンズ時代について、テイラーは「俺が望んだような終わり方じゃなかった」と振り返っている。

「だが、俺はその年を通じて人として成長し、逆境に耐えて、それまでよりももっと強く主張できるリーダーになった。2018年のクリーブランドのチームはかなり若くて、リードしていくのにいろいろな道を見つける必要があった。当時、俺は28歳で、チームで3番目に年長だったんだぜ。皆が俺を最年長のやつとか、一番年長の選手の一人っていうふうに見ていた。もっと強く主張したこともある。思い出したり、あの年から何かしら得ようとしたりするのは難しいけれど、より大事なのは、それが実際のフットボールというよりは、人間的な面が大きかったってことだ」

ブラウンズで1年過ごした後、テイラーは2019年にロサンゼルス・チャージャーズに移り、フィリップ・リバースのバックアップを務めながら再び先発のチャンスをつかめる日を待っていた。2020年にようやくつかんだチャンスは、またしても短く終わってしまう。原因の一部はチームのトレーナーのミスにあった。試合前にトレーナーがテイラーに鎮痛剤を注射した際、肺刺傷が起こってしまったのだ。ジャスティン・ハーバートが代役に抜てきされ、歴史は繰り返された。

今、テイラーはデショーン・ワトソンの代役を務めるベテランとして、シーズン全体でチームをリードする機会を手にしている。第1週は幸先の良いスタートを切ったものの、第2週の挑戦はより厳しいものとなるだろう。

「これが彼らの最初のホームゲームだっていうのはよく分かっている。ファンがものすごくエキサイトしているだろうね」と話すテイラーはこう続けた。

「アウェイの試合に行くのにワクワクしている。俺たちのロッカールームにいる皆とそこへ行き、戦うんだ。俺たちにとって大きな試練になる。クリーブランドはすべての面ですごくいいチームだから、とにかくそこへ行って戦うのが楽しみさ」

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