ベアーズHCナギー、3名のQBすべてをシーズン第4週の先発として検討中
2021年09月28日(火) 10:33いまだに攻撃の糸口がつかめずにいるシカゴ・ベアーズは現地26日(日)に行われたクリーブランド・ブラウンズ戦で惨敗したことで今季1勝2敗となっているため、あらゆる選択肢を考えざるを得ない。
ベアーズのヘッドコーチ(HC)マット・ナギーは月曜日に報道陣に対し、新人クオーターバック(QB)のジャスティン・フィールズ(手)とベテランQBアンディー・ダルトン(膝)のケガの状態を確認中であることを理由に、シーズン第4週のデトロイト・ライオンズ戦で誰が先発を務めるかは未定だと述べた。
ナギーHCは次のように話している。
「現在、誰が先発するかについて、3人ともに検討中だ。この数日で全員の状態を確認しなければならない。ニック(フォールズ)の状態については把握しているのだが、ジャスティンとアンディーには注意を払い続けて、どのような事態にも対応できるようにしておきたい」
ダルトンの膝のケガは週単位での経過観察中で、フィールズの手のX線検査では異常が見られなかったとナギーHCは話している。ナギーHCによると、後者については週を追うごとに腫れや痛みが出てこないかを観察することになるという。
準備段階では、2021年のベアーズはクオーターバックに不安が生じても他チームと同様に対応する準備が整っていると見られていた。ダルトンは一時的に先発の役を担えるベテランとしてチームに存在し、フィールズはその後継者だ。両者の後ろには、自らの番が来たときは難局に際しても手腕を振るうことで知られるシグナルコーラー、フォールズが控えている(ただし、昨年の経験から、常に実力を発揮するとは限らない)。
これまでのところ、攻撃面での成果はほとんどなかった。シーズン第1週のロサンゼルス・ラムズ戦ではペースが上がらず、シンシナティ・ベンガルズ戦では深く攻め込むために守備陣の力を必要としていた。日曜日に26対6で敗れたブラウンズ戦では攻撃の総距離が47ヤードにとどっている。
初先発を果たしたフィールズがパスを成功させたのはわずか20回中6回で、68ヤードという記録だった。ブラウンズの猛烈なパスラッシュに9回――そう、9回も――サックされたため、獲得距離は実質1パスヤード。ポケットを上手く動かせなかったベアーズは、モバイル型のクオーターバックであるフィールズに機会を与えられず、不十分なオフェンシブラインの後ろに立たせている。ディフェンシブエンド(DE)マイルズ・ギャレットやジェイデビオン・クロウニーらブラウンズの守備陣は自由にプレーして楽しんでいた。
ワイドレシーバー(WR)ダーネル・ムーニーがダウンフィールドでワイドオープンになっていたプレーを含み、フィールズは適切なタイミングでのパスに苦労した。ムーニーを見つけるのが遅すぎたため、フィールズが投げたボールは結果的にパスインターフェアのペナルティで無効になったとはいえ、ブラウンズのセーフティ(S)ジョン・ジョンソンにインターセプトされている。残り4ヤードのところでエンドゾーンに到達できなかったため、ナギーHCはフィールドゴールを蹴ることにして13対6とした。
ベアーズがレッドゾーンに入ったのはこれが最後だった。
日曜日にフィールズがプレーする機会が少なかったように見えた理由を聞かれたとき、ナギーHCはこう答えている。
「これらのプレーにかかわってくる組み合わせがあった。プロテクションが崩壊したり、ボールが時間通りに出てこなかったり、ディフェンスのカバーが良かったりする。他には、プレーコールが悪かったということも考えられる。昨日の試合ではこれら4つの要素が複合的に絡み合っていたのかもしれない」
この組み合わせにより、大差をつけられたシカゴは今季、最も見苦しい敗北を喫した。さらに、近いうちにクオーターバックの交代をする事態を引き起こしている。
「繰り返しになるが、ものすごくシンプルに言えば、すべて検討中だ。評価の部分もすべて含めると、それが一番分かりやすい表現だと思う」とナギーHCはコメントした。
ナギーHCは既視体験をしていると感じているのではないだろうか。ちょうど昨年はフォールズとミッチェル・トゥルビスキーのどちらを起用するかという同様の質問に答えていた。ナギーHCは両方を試してみたものの、最終的にはトゥルビスキーに戻し、プレーオフに進出している。
この調子であれば、ベアーズはポストシーズン進出に及ばないように見える。唯一の明るい兆しとして、ベアーズの守備陣がブラウンズのQBベイカー・メイフィールドをサックしてターンオーバーを2回記録したことが挙げられるが、それも攻撃陣の挽回にはつながらなかった。
このままいけば、ベアーズは苦戦を強いられるかもしれない。0勝3敗のデトロイト・ライオンズとの対戦は、まるで今のシカゴの状況にぴったりの薬のように思えるが、必ず勝てるという保証はない。ボルティモア・レイブンズはライオンズに勝つために記録的なフィールドゴールを必要としており、ライオンズはシーズン序盤の2試合のうち半分は競争的なプレーを見せていた。
シカゴの攻撃陣はさらに良くならなければならない。ナギーHCの席に取りつけられた温度計の水銀はすでに上昇している。
【RA】