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49ers戦の勝利ドライブについて「フットボールにロマンを感じないわけがない」とパッカーズQBロジャース

2021年09月28日(火) 11:32

グリーンベイ・パッカーズのアーロン・ロジャース【AP Photo/Lachlan Cunningham】

37秒。サンフランシスコ・49ersに30対28の勝利を収めるために、クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースとグリーンベイ・パッカーズに残された時間はたったそれだけだった。

試合時間は残り1分を切り、49ersに1点リードされた局面だった。NFLのMVPであるロジャースはタイムアウトのない37秒で、キッカー(K)メイソン・クロスビーが51ヤードの決勝フィールドゴールを決めるために必要な42ヤードを稼いだ。

スターワイドレシーバー(WR)のデイバント・アダムスは強烈なヒットにより試合序盤で一時的に離脱していたが、ロジャースはこの最後のドライブで彼に2度のパスを成功させ、フィールド中央でボールを進めた。タイムアウトがない中でパッカーズは急いでスクリメージラインに並び、スパイクで時計を止める作戦に出る。

ロジャースは試合後、アダムスに繋いだ2つのプレーのうち最初の25ヤードパスは現地24日(金)の練習でチームが取り組んだプレーであり、「砂の上に走り書きするようなプレーだ」と話した。直後にアダムスが再びフィールド中央でオープンになり、クロスビーの出番となった。

クロスビーは決勝点となるキックをど真ん中に蹴り込んだ。

ロジャースは「フットボールにロマンを感じないわけがない」と、映画『Moneyball(マネーボール)』の中でブラッド・ピットが言ったセリフを真似た。

勝利が決まった瞬間にロジャースがサイドラインで見せた反応を見れば、このクオーターバックがパッカーズに献身的でないという愚かな考えは消え去るだろう。オフシーズン中の騒動は終わった。ロジャースはこのチームでスーパーボウルに出場することに専念している。後はなるようにしかならない。

ロジャースは「このチームに自信を持っている」と『Associated Press(AP通信)』に話した。「シーズン第1週は異常だった。俺はそう言ったし、そう信じている。第2週で立ち直って、今夜は素晴らしいチームと最後まで戦い抜いた。この旅路は最高のものになるだろう」

シーズン第1週の不振をものともせず、ロジャースはすでにMVPにふさわしいパフォーマンスを見せ、フィールド全体に正確なパスを出した。第4クオーター序盤のWRマルケス・バルデス・スカントリングへの12ヤードのタッチダウンパスは、高く投げすぎずにディフェンダーの上をすり抜けるようなパスで、絵に描いたように完璧だった。その投げ方でこれだけの数を成功させられる選手は地球上に一握りしかいないだろう。

それまで10回のドライブで3回のパントしかしていないパッカーズは、ツーミニッツウォーニングの直前にフィールドゴールを蹴って6点リード。反撃に出た49ersは8回のプレーで75ヤードのタッチダウンドライブを決めてこの試合初めて勝ち越しとなる。だがそれも長くは続かなかった。

試合後にロジャースは、タイムアウトなしで勝利につなげるドライブを仕掛けるのに必要な時間を聞かれ、「37(秒)」と軽口を叩いた。この質問を真面目に受け止めたヘッドコーチ(HC)のマット・ラフルアーは「35秒…もしかしたら34秒」と答えている。

殿堂入りが有力なQBに少しでも時間を残しておくのがいかに愚かなことであるかを、ロジャースは改めて見せつけた。

49ersのタイトエンド(TE)ジョージ・キトルは「特にアーロン・ロジャースの場合、時計に少しでも時間が残っているということは、それは十分すぎるということだ」と述べた。「俺たちのディフェンスは優秀だと思っている。フィールドに出た時の彼らが心配になることはない。だがこれはアーロン・ロジャースとデイバント・アダムスだぜ。彼らは勝つために必要なことをやったということさ」

【R】