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ペイトリオッツ戦で「思い出にひたる」つもりはないとバッカニアーズQBブレイディ

2021年09月29日(水) 00:33


タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Jason Behnken】

さあ、いよいよだ。

キャリア20シーズン分の栄光、気高さ、懐かしさ、6度のスーパーボウル制覇、そして絶対王者としてのかつての歴史が、トム・ブレイディのフォックスボロ帰還に向けて期待の高まる1週間に凝縮されている。

現地10月3日(日)に開催されるニューイングランド・ペイトリオッツとの試合に向けて、タンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック(QB)トム・ブレイディとチームに世界中の注目が集まっている。それを前に、この月曜日には多くの人々がブレイディの出演したポッドキャストに耳を傾け、現スーパーボウルMVPが里帰りについてコメントするのを聴いていただろう。

前述したような多くの人が追体験する懐かしさや思い出を回顧するために、ブレイディがボストンへ発つわけではない。

『ESPN』によれば、『SiriusXM NFL Radio(シリウスXM NFLラジオ)』の番組“Let’s Go!(レッツ・ゴー!)”にアリゾナ・カーディナルスのワイドレシーバー(WR)ラリー・フィッツジェラルドとジム・グレイとともに出演したブレイディは「思い出にひたるつもりはない」と話し、こう続けたという。「今はそういう時期じゃないと思う。自分のフットボール人生を振り返る機会はいくらでもあるだろうけど――今は違う、僕は今この瞬間を生きているから、思い出を振り返る暇なんてこれっぽっちもない。20年の歴史について考えるつもりはない。僕がこれから考えるのは、たった一晩の試合のことだけ、つまり本当に厳しい敗北の次に迎える日曜夜の試合だ」

スーパーボウル優勝6回、スーパーボウル出場9回、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区優勝17回など、ブレイディがペイトリオッツに在籍していた間に成し遂げた偉業の価値が、たった一晩の試合で測られるわけではない。しかし、次の日曜夜に開かれるこの1試合だけは、ブレイディとバッカニアーズ(2勝1敗)、そしてブレイディの古巣であるペイトリオッツ(1勝2敗)にとって、重要な意味を持つ。両者ともに過剰に注目されているシーズン第4週で敗戦から立ち直り、勝利したいと考えているからだ。

数字としてはブレイディに有利なようだ。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、ジレット・スタジアムでブレイディが挙げた115勝は1つのスタジアムでのQBの勝利数としてはリーグ史上最多だという。

とはいえ、G.O.A.T.(史上最高)と称賛されるブレイディは同窓会パーティの主役になりたいわけではない。

ブレイディは、ファンへのメッセージで次のように語った。「えっと、ホームカミングを期待しているわけじゃない。彼らは地元チームを応援しに来ていて、彼らのチームはペイトリオッツだ。僕には長年にわたって応援してくれた多くのファンがいるし、きっとそうだろうね。たくさんのファミリーや、試合を見に行きたいと思っている友人たちもいると分かっている」

「ジレット・スタジアムにいる地元ファンは素晴らしい人たちだ。僕の予想通り、彼らは自分たちのチームを応援すると思う。そして、僕について少しでも知っている人であれば、勝つために試合に出るっていうのを分かっていると思う。だから、彼らは僕のそういうところを尊重してくれるはずだ。彼らが地元チームを応援することも尊重するし、それがスポーツの流儀だからね」

ブレイディが果たした7回のスーパーボウル優勝はNFLの選手としては史上最多であり、ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックとともにニューイングランドが一世を風靡(ふうび)するのを導いたブレイディは、リーグ史上最も偉大な選手かもしれない。しかし、ブレイディのニューイングランドでの日々はバッカニアーズとフリーエージェント(FA)として契約したことで2020年シーズンを前にして終わりを告げた。ブレイディのフォックスボロへの帰還に対する期待と関心はこのときから始まっていた。

ベリチックHCはブレイディが去ったときのことを蒸し返すつもりはないと話している上に、TB12ことブレイディも元HCを称賛している。

「僕は20年間そこにいたんだ、分かるだろう、彼が偉大な師匠なのは言うまでもない。間違いなく、彼から素晴らしい教訓を学んだ。彼は素晴らしいフットボールコーチで、チームのためによく仕事をしてくれる。コーチが持っている力をすべて発揮することをどの選手も望んでいるし、偉大なコーチはすべての選手に対して自らの持つ力を完全に出し切りたいと望んでいるんじゃないか。それが素晴らしい関係を築くと思う」

他の追随を許さない成功を生む関係にあった恩師との対決に挑むブレイディは、バッカニアーズのユニフォームを着て、初めてペイトリオッツに打ち勝つためにジレット・スタジアムに入る。

差し迫った今週の初対決についてブレイディは月曜日にコメントしていたが、これが最後ではないだろう。したがって、日曜日に思い出話をするつもりはないものの、試合以降、ブレイディは何度もそれを迫られるはずだ。

【RA】