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QBブレイディによる自らの記録更新を歓迎するブリーズ

2021年09月29日(水) 17:54


ニューオーリンズ・セインツのドリュー・ブリーズとタンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Butch Dill】

数々の古巣との試合の中でも最も注目される一戦の陰に隠れがちだが、クオーターバック(QB)トム・ブレイディは事実上、NFLの歴代リーディングパサーに王手をかけている。

ロサンゼルス・ラムズとの試合で432ヤードを記録し、8万ヤード越えを達成した2人目のクオーターバックになってから1週間、ドリュー・ブリーズが保有するキャリア最多パスヤード記録をブレイディが更新するにはあと68ヤードを要するのみとなっている。

ブレイディに記録を破られるのは初めてではないブリーズは、TB12が自らの記録を越えていくのを歓迎しているようだ。

『ESPN』のジェンナ・レインによれば、ブリーズは「ブレイディがその試合の最初のプレーからボールを放つだろうってことに全面的に乗るよ。とにかく前に進んで、仕事を終わらせるだろう」と話したという。

「彼には何が必要だって? 68ヤード? ニューイングランドがエンドゾーンに蹴って、25ヤードからスタートし、マイク・エバンスに一球投じる。それで終わりさ」

「僕は間違いなく、それがすぐに破られるって思っている。自分のキャリアや準備とか、彼にとってこのゲームが意味するものに対し、彼以上に力を注いでいる人なんて思い浮かばない。これは間違いなく特別な記録。なぜなら、それは彼が経験することができた長さや、彼のプレーのレベルの高さを物語るからね」

最初のドライブになるか、第2クオーターになるかはともあれ、ブリーズの記録が塗り替えられるのは間違いない。しかし、それはブリーズにとって問題ないようだ。

「僕は記録は破られるためにあると思っている」とブリーズは言う。

ブリーズが打ち立てた歴代パスヤード記録は8万0,358ヤードで、ブレイディは8万0,291ヤードを積み上げた状態で第4週に臨む。

ブレイディとブリーズの位置は以前にタッチダウンパス記録上でも交差している。ブレイディの現在の記録は591回、ブリーズの最終的な記録は571回だった。

ブレイディはジレット・スタジアムで115勝しており、これは一つのスタジアムでQBが挙げた勝利数としては最多となる。しかし、日曜日に350ヤード以上をマークすれば、ブレイディはもう一つのブリーズの記録も抜くことになるのだ。ブリーズがスーパードームで残した3万5,506ヤードという数字は単一スタジアムで記録された最多パスヤードだが、ブレイディはジレット・スタジアムでこれまでに3万5,157ヤードを記録している。

思い出を振り返るためにジレット・スタジアムに行くのではないとすでに宣言しているブレイディだが、パスヤードで一つの業績を達成したとしても、祝杯を挙げることはないだろう。

ブリーズはブレイディが記録更新に浮き立つことはないと考えている。それは経験から分かることだという。

「ゲームに集中しきっているからね。そういうところに行っちゃいけないんだ。試合前に感情から締め出そうとする部分だ。率直に言おう。こういうゲームを前に、自分がどう感じるかは知っている。昔のチームと戦うとか、記録更新に迫っているとか。そういう場面は思い描くことができるし、記録を更新しているところとか、そこで起きるだろうことすべてを思い浮かべることができる」

そう語るブリーズはさらに「涙や感情があふれるのは、月曜日とか火曜日だった。月曜日や火曜日には文字通り泣くって感じだから、日曜日はビジネスに徹して、ゲームのことがすべてなんだ。仕事をやることがすべてだ」と続けた。

実際、ブレイディとバッカニアーズ、そしてニューイングランド・ペイトリオッツにとって、サンデーナイトに一番大事なのはビジネスだ。その一方で、試合の前にも最中にも後にも、ビジネス以外にかかわるストーリーや要素が多く話題になり、それによってビジネスの完遂はより難しく、興味深くなるだろう。

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