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ペイトリオッツQBジョーンズ、バッカニアーズ戦で活躍も「精神的な勝利なんかいらない」

2021年10月05日(火) 08:27

ニューイングランド・ペイトリオッツのマック・ジョーンズ【AP Photo/Steven Senne】

タンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック(QB)トム・ブレイディがフォックスボロへの帰還を果たした試合の終盤、ニューイングランド・ペイトリオッツのキッカー(K)ニック・フォークが試合終了間際に放ったフィールドゴールはアップライトの左側に当たり、ペイトリオッツは19対17で惜敗を喫している。

TB12の古巣凱旋という歴史的、感情的な側面はさておき、現地3日(日)夜に開かれた試合での最大の収穫はペイトリオッツが新ブレイディとも言えるマック・ジョーンズを見出せたことだ。

雨が降りしきる中、ジョーンズはオープンになっている選手の場所を把握した状態で素早くパスを回しつつ、バッカニアーズの激しいブリッツに対抗して大きく前進するなど、好プレーを見せた。記録を見ると、ジョーンズはコンプリート率77.5%で275ヤード、タッチダウン2回とインターセプト1回、パサーレーティング101.6をマークしてブレイディを上回っている(ブレイディはコンプリート率51.2%で269ヤード、タッチダウン0回、インターセプト0回、パサーレーティング70.8)。

自らの有能さを見せつけた試合でジョーンズはパスを19回連続で成功させ、過去30季(公式にコンプリート率が記録され始めた1991年以降)の新人による1試合あたりの記録を上回る結果を残した。さらに、過去30季でペイトリオッツに在籍していたQBが1試合あたりに達成した連続記録で頂点に立っていたブレイディにジョーンズは並んだ。

大舞台でのプレッシャーの中で良いプレーを発揮したにもかかわらず、ジョーンズは“敗北の中の精神的勝利”を感じようとはせず、日曜夜に彼らの前進を妨げた失策(ペイトリオッツはターンオーバー2回を喫し、大きな反則を複数回とられた)を指摘している。

試合の公式記録によると、ジョーンズは次のようにコメントしたという。「よく実行できたと思う。勝利するには不十分だったけど、ジョシュ(マクダニエルズ/攻撃コーディネーター)は素晴らしい仕事をしたし、全部うまくいくってことはなかったけど、全部がうまくいった状態に近づけて、フルゲームを一緒にプレーできたのは俺たちにとっていい勉強になったと思う。それができるようになれば、ポジティブなことが起こるんじゃないか。できなくても90%とか85%の力は出せるだろうけど、勝てないだろうね。俺たちは精神的な勝利なんかいらない。それはすべて忘れられてしまう。でも、価値ある結果は単にそれとして受け止めて、前に進まないといけない」

ペイトリオッツのラッシングによる獲得ヤード数がマイナス1だったため、攻撃陣の活躍はジョーンズの肩にかかっていた。そして、ジョーンズは期待に応えている。スーパーボウル時代に1試合で40回以上のパス試投を行った新人の中で、ジョーンズは2番目に高いコンプリート率(77.5%)をマークしたのだ(最高記録は2020年シーズン第14週にアトランタ・ファルコンズ戦でロサンゼルス・チャージャーズのQBジャスティン・ハーバートが記録した81.8%)。

一方、ペイトリオッツは今季1勝3敗となっており、これはビル・ベリチックがHC(ヘッドコーチ)に就任してから3度目で、2001年にブレイディがQBの座に就いてからは初めての結果だ。

とはいえ、ペイトリオッツは少なくともQBに関して、安定した選手を見出せた。

「正しい方向に進んだと思う」とジョーンズは言う。「ほら、俺たちはゲーム全体を通してハードに戦って、ボールを奪われた。これは問題の1つだろう、ターンオーバーは命取りになる。ターンオーバーしなければ、90%以上の確率で勝つことができる。まあこれはただの統計だけど。でも、俺たちはパスをよく回した一方でランゲームは改善する必要があると思ったから、その方法を考えていく。みんな一生懸命に戦ったよ。負けてしまったのは残念だけどさ、少しずつ前進していくのを見ておいて」

次の具体的な進展は、ペイトリオッツと同様に今季1勝3敗のヒューストン・テキサンズを制して勝利を積み重ねることだ。

【RA】