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拡張されたディフェンスの役割で「もっと良くなれる」とイーグルスDTコックス

2021年10月08日(金) 14:29


フィラデルフィア・イーグルスのフレッチャー・コックス【AP Photo/Matt Rourke】

フィラデルフィア・イーグルスのディフェンシブタックル(DT)フレッチャー・コックスは昨年12月に30歳の大台に乗り、20代を過ぎたディフェンダーとなってからで初めてのフルシーズンを戦っている。

数字だけ見れば、プロボウルに6度選出されているコックスに終わりの時が迫っているかのようだ。あるいは、変更されたスキームがコックスにとって好ましくないだけかもしれない。

現地6日(水)、コックスは「俺はもっと良くなれる。もっとできると思っている」と『NBC Sports Philadelphia(NBCスポーツ・フィラデルフィア)』に話している。「それは直さないといけない問題だ。このチームの方針を受け入れて、ベストを尽くす必要がある」

2021年シーズンはイーグルスにとって、ジョナサン・ギャノンを守備コーディネーター(DC)に迎えて初めてのシーズンとなっている。ギャノンDCはコックスの責任を拡大し、彼をこれまでとは異なるアライメントでも起用するようになった。2019年から2020年にかけて合計でタックル81回とサック10回を記録しているコックスだが、今季は4試合でタックルはわずか5回、サックは0回となっている。

コックスは「3テクニックでプレーすることもあれば4テクニックの時もある」と話す。「いろいろなポジションをこなして、たくさんのことをしなければならないから、慣れるのが難しいんだ」

アライメントが重要なのは、ランを守るブロックに対してディフェンダーがどう合わせ、いかにギャップを維持できるかに影響するからだ。つまり、互いのスペースの間にいるブロッカーに対峙しながら、相手のランニングバックが走るコースを潰さなければならない。ランとパスに対してコックスが複数のブロッカーを相手にする頻度も影響する。

コックスはキャリアの大半を3テクニック――ガードの外側の肩に位置するアライメント――でプレーすることで、プロボウルに選出されるようなシーズンを6回も経験している。だが今のコックスの役割は広がり、タックルの内側の肩に正対する位置でマッチアップし、コックスにとってはスクリメージラインの中心から距離ができることになる。

相手チームはこのような場合、コックスが3テクニックでプレーしているときよりも容易に彼から逃げる選択ができる。さらに、彼が4テクニックの時にガードはタックルからサポートを受けやすい。

これまでのところコックスの生産量は限られており、疑問が生じている。コックスが年齢とともに退化しているのか、それとも今のスキームが彼の長所を活かせていないだけなのか?

コックスは「俺たちはいろいろなプレーをやっている。俺は常に準備を整えておくしかない」と述べている。

コックスはシーズン第3週のダラス・カウボーイズ戦でクオーターバック(QB)のダック・プレスコットがファンブルしたボールを奪ってディフェンスのタッチダウンにつなげるなど、少なくとも1試合ではインパクトを与えた。ただ、キャリアのほとんどで見られたようなゲームの破壊者とまではいかない。

ギャノンDCは「フレッチは今いい仕事をしていると言えるだろう」と述べ、次のように続けた。

「われわれのチームにフレッチャー・コックスがいることは知られているわけだから、相手が動画で見たことのないようなことをしようとしているんだ。チームにいる選手のお陰で、われわれは他のチームができないことができる。だから常に“フレッチがフリーになれるように、フレッチが攻められるような方法を考えなければ”というようになっているが、私は彼のプレーに満足している。生産量については、まだ4週間だ。そのうち追いついてくるだろう。フレッチの結果については心配していない」

コックスを活かすためにギャノンDCは方針を変えるだろうか。今のところ、それはなさそうだ。チームメイトのDTジャボン・ハーグレイブは今シーズン、インサイドで脅威となっており、イーグルスはパッシングダウンの12.4%でしかブリッツを仕かけていないにもかかわらず、QBプレッシャー率(30.2%)で10位となっている。

一方でランに対するディフェンスはNFLで31位となっており、コックスが適切なポジションで起用されれば、間違いなく改善されるだろう。

コックスのフラストレーションが溜まっているのは明らかであっても、今のところイーグルスは現状維持を貫くようだ。

コックスは「俺はただ求められたことをやるさ。やるからには全力を尽くす。プロらしく対応して、フィルード上でできる限りのことをするつもりだ」とコメントしている。

イーグルスは今週末に敵地シャーロットでカロライナ・パンサーズと対戦する。

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