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チーフスに勝利したことを「大ごと」にはしないとビルズQBアレン

2021年10月12日(火) 00:14

バッファロー・ビルズのジョシュ・アレン【AP Photo/Ed Zurga】

バッファロー・ビルズは敵地開催にもかかわらず38対20でAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)で連覇を果たしてきたカンザスシティ・チーフスを撃破し、そのクオーターバック(QB)であるパトリック・マホームズを打ちのめした。

この日は悪天候により試合が1時間以上遅延したが、QBジョシュ・アレンが15回のパスコンプリートで315ヤード(1回のコンプリートにつき21ヤード)を稼ぎ、タッチダウンパス3回、59ラッシングヤード、そしてタッチダウンラン1回を記録するなど、ビルズは苦戦していたチーフスの守備陣を圧倒。ビルズの守備陣はマホームズとチーフスによる大胆なプレーを最小限に抑えさせて爆発的な攻撃陣を混乱に陥れ、スターQBを相手に2回のインターセプトを決めている。

今季4勝1敗となったビルズはAFC東地区での戦いを優位に進めることができた。また、現地10日(日)に行われたチーフス戦での勝利はカンファレンスの流れを変える可能性を感じさせるものであり、今後のプレーオフのシード権にも影響を与えるものでもあった。

敵地開催の厳しい環境下でゴールデンタイムに実施された試合で、残り2クオーター半では接戦にもなり得なかった状況でカンファレンス覇者に勝利したとはいえ、ビルズの選手たちにその意義を吹聴することを求めてはいけない。

チームの公式記録でアレンは「これは1試合に過ぎないし、必要以上に大ごとにするつもりはない。もしこの試合に負けていたとしても、必要以上に大ごとにするつもりはなかった。繰り返しになるけど、今シーズンにはまだたくさんの試合が残っているし、これからも勝利を積み重ねていかなきゃいけない」とコメントしている。

確かに、これは新たに勝利を重ねたに過ぎない。しかし、パトリック・マホームズが51試合に先発して11敗しているチームを制したことについては、例えば、精彩に欠けるヒューストン・テキサンズに勝つことと比較して、少しでも意味がないと考えるのは不自然だ。

それでも、今回の勝利はAFCの他チームにどんなメッセージを送ったのかと聞かれたアレンは何も答えなかった。

アレンは次のように語っている。

「俺が思うに、あなたたちの仕事によって実際よりも話が大きくなっているんじゃないか。俺たちはシーズン第5週にいる。前回、4勝ではプレーオフに進出できないって分かった。俺たちは敵地に乗り込み、すごくいいチームと対戦して最終的に勝利を収めたし、それは毎週、達成したい目標だ。ここへ来て、雷による遅延とか、あらゆるプレーに耐えたんだけど、この状況に対応したチームを誇りに思う。さっきも言ったけど、相手がどこであろうとアウェーゲームは決して簡単じゃない。毎週、異なる状況、異なるマッチアップがある。試合に出て、ゲームプランを実行する。今日、成し遂げたのはそれだ。それこそ今後も続けていくことだ」

ビルズのビジネスライクな対応は、スターQBのアレンからクラブのあらゆるレベルにまで浸透している。日曜夜の大勝利について聞かれたビルズの選手は、一人としてそれを重要視していなかった。

ヘッドコーチ(HC)ショーン・マクダーモットは選手たちの口癖を好んでいるはずだ。昨季、AFCチャンピオンシップゲームで14点差をつけられるなど、チーフスに2度敗れていたビルズはチーフスの偉業を讃えることができた。その代わりに現在はアウェーでチーフスを圧倒するという成果に肩をすくめているのだ。

ビルズにはシーズン4勝目を挙げることよりも大切にしたいことがある。

アレンとチームは10月11日ではなく、2月に祝杯を挙げたいのだ。

【RA】