リーグには差別的な思想の入る余地などないとQBロジャース
2021年10月13日(水) 15:17過去に侮辱的な複数のメールを送っていたことが明らかになったジョン・グルーデンが現地12日(月)にラスベガス・レイダースのヘッドコーチ(HC)を辞任したのを受け、衝撃や軽蔑、悲しみがNFL界の人々によって表明されている。
その中の一人がグリーンベイ・パッカーズのクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースだ。
火曜日に『Pat McAfee Show(パット・マカフィー・ショー)』に出演したロジャースは、グルーデンのような考え方はNFLに広く行き渡っているものではないとの見解を示す一方、そういった精神性の入る余地はこのリーグにはないと話している。
『USA Today(USAトゥデー)』によれば、ロジャースは「似たような意見があるのは知っているけれど、それは少なくてめったにないと感じている」とコメントしたという。
「今のプレーヤーやコーチは前より親密で、進歩的で、向上していて、愛情あふれ、結びついているタイプの人たちだ。俺たちのロッカールームがそういう感じであることを、誇りに思っている」
「成長と変化の機会は与えられるべきだが、このゲームにこういう意見が入る余地などない」
パッカーズでの17シーズン目を迎えているロジャースは、グルーデンの件によってNFL内で社会的平等についての啓もうが進むことに期待している。
「こんなにも速く進んだのは驚きだったけれど、どの陣営にとっても最良の決断だったと思う」と話すロジャースは「俺たち全員が一つのリーグとしてここから学び、成長していけるといいな。もしかしたら、同じような意見を持っている人たちの気づきになるかもしれない。“ヘイ、成長して進歩し、変化し、つながるときだぞ。もうそんなのダメだ”って感じでね」と続けた。
ピッツバーグ・スティーラーズのヘッドコーチ(HC)であるマイク・トムリンは、グルーデンがタンパベイ・バッカニアーズのHCだった頃に4シーズンにわたってアシスタントを務めていた。バッカニアーズは火曜日にグルーデンをチームのリング・オブ・オナーから外したことを発表している。
火曜日にメディア対応したトムリンからうかがえたのは、かつて自分が成長するのを助けてくれたグルーデンについて明かされたことや、グルーデンに起こったことに対する心痛だった。
『Pittsburgh Post-Gazette(ピッツバーグ・ポスト・ガゼット)』によれば、トムリンHCは「とにかく驚いた。レイダースのオーガナイゼーションを思って悲しんでいる。このことで傷ついた人々を思って悲しんでいる。グルーデンコーチを思って悲しんでいる。今の段階で公にできる私の見解はそれだけだ」と話したという。
トムリンHCはNFLにいる3人の黒人ヘッドコーチのうちの1人だ。
また、ジャクソンビル・ジャガーズのオーナーであるシャッド・カーンはリーグで2人しかいないマイノリティのオーナーの1人にあたる。
カーンはメールの内容が明かされた今、グルーデンに辞職する必要があったことに同意した。
火曜日に『Sports Business Journal(スポーツ・ビジネス・ジャーナル)』のベン・フィッシャーに「コーチが辞任したのは間違いなく正しいことだと思うし、マーク・デービス(レイダースオーナー)やレイダースが辞任を受け入れたのも正しかったと思う」と語ったカーンは、次のように続けた。
「だが、今回の件は単に“さあ、終わった。もう前に進もう”などと言うわけにはいかないものだと信じている。たとえ10年前のことだとしても、今回の例は非常に侮辱的で人を傷つけるものであり、私たち全員による熟考を必要とするものだ。どうやったらこの状況を改善できるだろうか」
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