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「ルーキークオーターバックは簡単ではない」とジェッツ新人QBウィルソンを擁護するサラーHC

2021年10月13日(水) 12:05


ニューヨーク・ジェッツのザック・ウィルソン【AP Photo/Bill Kostroun】

NFLの先発クオーターバック(QB)の勢力図において、バッファロー・ビルズのジョシュ・アレンとニューヨーク・ジェッツのザック・ウィルソンは対極にいるように見える。だが、ジェッツのヘッドコーチ(HC)ロバート・サラーは現地11日(月)に、アレンもかつては今のウィルソンのようだったことを周囲に思い出させた。

ビルズと6年2億5,800万ドル(約292億6,500万円)の契約を結んでいるアレンは、NFLでの最初の5試合で散々な目に遭っており、ジェッツで苦労しているウィルソンよりも当時は期待されていなかった。

サラーHCは「これまでも、そしてこれからも、ルーキークオーターバックは簡単ではない」とジェッツの公式サイトで述べている。「ジョシュ・アレンがルーキーシーズンに戦った最初の5試合で残している記録は、われわれの新人と変わらない」

今年のウィルソンがそうであるように、アレンは2018年シーズンの開幕からルーキースターターの座を射止めた。

実際の数字を比べてみよう。

アレンは先発した最初の5試合中3試合で敗れ、パス122回中65回(55%)を成功させて1試合あたりわずか151ヤードしか稼げず、タッチダウンパスはたったの2回、インターセプト5回、ファンブル4回という結果に終わっている。

一方のウィルソンはジェッツの先発として1勝4敗となっており、パス171回中98回(57%)を成功させて1試合あたり223ヤード。タッチダウン4回、ピック9回、ファンブル2回を記録している。

確かに、とりわけボールセキュリティに関しては2人ともひどい有り様だ。どちらもキャリア初期に相手のパスラッシュをもろに食らっており、ウィルソンはこれまでに18回、アレンも同期間に19回ものサックを受けている。

サラーHCは「イライラすることもあると思うが、そのうちすべてがかみ合うようになる。ジェットコースターのような浮き沈みを経験することになるが、良いものは良い、悪いものは悪いと受け止めるしかない」と前向きな姿勢を示している。

アレンは日曜日にAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンのカンザスシティ・チーフスを撃破し、QBパトリック・マホームズを圧倒したばかりだ。そんな姿を見ると、ビルズのファンが1巡目指名は大失敗だったのではないかと思っていたことが遠い昔のように感じられる。ドラフトから3年後にビルズはNFL屈指のクオーターバックを手に入れた。だからと言ってウィルソンのキャリアも同じようになるというわけではない。だが、アレンの活躍は、出だしとその後のキャリアが同じようになるとは限らないことを示している。

「彼のためにいろいろとシンプルにする方法を常に模索している。それと同時に、ゲームのスピードやスキームの変化はどうすることもできない。彼は毎週新しいことを学び、もっと良く見なければならない部分に気がついている」とサラーHCは言う。

ロンドンで開催されたアトランタ・ファルコンズ戦では27対20という悔しい結果に終わったウィルソンは、バイウィークで気を取り直し、10月24日(日)にニューイングランドで行われるシーズン第7週のペイトリオッツ戦で同じルーキースターターのQBマック・ジョーンズと対戦する。

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