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グルーデン辞任の状況を説明したレイダースGMメイヨック

2021年10月14日(木) 16:25


ラスベガス・レイダースのマイク・メイヨック【Ryan Kang via AP】

ラスベガス・レイダースのジェネラルマネジャーであるマイク・メイヨックが現地13日(水)にジョン・グルーデンのヘッドコーチ(HC)辞任とそのタイミングについて説明した。グルーデン元HCが2011年に送信したEメールでNFL選手会(NFLPA)エグゼクティブディレクターのデュモーリス・スミスについて人種差別的な表現を用いていたことが、ラストゲームの指揮を執る2日前に広く報じられている。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のジュディ・バティスタはレイダースが他のメールでグルーデンが同性愛嫌悪や女性蔑視的な言葉を使っていたこと――月曜日に『The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)』が報道した内容――についても、第5週のシカゴ・ベアーズ戦の前から把握していたと報じている。それらのことが、グルーデンに第5週の指揮を任せた判断に疑念を生じさせている。

メイヨックGMによれば、デービスオーナーは日曜日の試合までに集まった情報の精査を終えていなかったという。レイダースはこの試合を20対9で落とした。グルーデン元HCが月曜日に辞任してから初めて公にレイダースの一員として見解を述べたメイヨックGMは次のようにコメントした。

「その部分については、対処していたのはマーク・デービスで、マークを代弁したいわけではないが、彼の感触としては彼の立場から精査しなければならないことが非常に多かったと思う」

「私に分かっているのは爆弾が落とされたということだけだ。選手たちがそれについて話し、われわれが選手たちと話し、ジョンはそれに対処し、もちろん私は知りさえしなかった。繰り返すが、マークはメールに関連するすべての対処に追われていた。われわれはフットボールゲームの準備に努めていた。試合が終わって他のすべてのことが分かった。マークはすでに精査の途中だったのではないか。彼はすべてを解明しようとしていたと思う。そして、やはり私に分かっているのは、彼が何のために戦っていたかということであり、彼は正しいことをしようと努力していたと思う」

『ESPN』に所属していた時期である2010年までさかのぼる頃にグルーデンが送信したメールで使用した人種差別的、同性愛嫌悪的、女性蔑視的な表現について、『The Wall Street Journal(ウオール・ストリート・ジャーナル)』と『The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)』が報じていた。リークされたやりとりは元ワシントン・フットボール・チーム社長のブルース・アレンとのもので、ワシントンのフランチャイズ内の職場環境についてのNFLによる調査の中で収集された65万件のメールに含まれていたという。NFL選手会(NFLPA)はリーグにこの調査に関連するすべてのメールを公開するよう請願する計画だ。

「私が成長する中で、レイダースはつねに多様性を支持してきた」とメイヨックGMは言う。

「初めてラテン系のクオーターバック――トム・フローレス――を起用したのが彼らであり、彼は2人目のラテン系ヘッドコーチにもなった。最初のアフリカ系アメリカ人ヘッドコーチはアート・シェルで、最初の女性CEOはエイミー・トラスクだ。もちろん、そのすべてがアル・デービスの元で行われたことだ。今週はその息子であるマーク・デービスにとって厳しいものだった。彼はきつい1週間を送った」

レイダースのディフェンシブエンド(DE)カール・ナッシブは同性愛者であることを公にした初めての現役選手だ。メイヨックGMによれば、そのナッシブが水曜日に休暇を願い出て、許可されたという。チームの黒人選手で他に休暇を求めた者がいたかを問われ、メイヨックGMは数名の黒人選手たちと現状について話したと述べた。

「何人かの黒人プレーヤーたちと話した。われわれは黒人と白人とを問わず、たくさんの選手たちに連絡を取った。誰もが感情を揺らされ、何かを感じている。私の部署で、何名かの黒人の人々と話した。プロスカウト責任者(ドウェイン・ジョセフ)に、“DJ、君の立場になることはできない。助けてくれ”と言った。われわれはとても長い時間をかけ、彼らを助け、彼らと話し合い、彼らに話すのではなく、彼らと話そうと努めた」

「もう一つは、カールのためだ。率直に言って、彼は同性愛であることを公表しているコミュニティの一員だ。われわれにはアフリカ系アメリカ人選手たちの大きなコミュニティもあり、私は、そしてわれわれはそのコミュニティにできる限りすべてのことをやろうと努力している。これはそこから始まった。誰もそのことを忘れていない。私は全員と取り組もうと努力しており、われわれはそれを続けて行くつもりだ」

グルーデンの辞任を受け、アシスタントヘッドコーチのリッチ・ビサッチアが暫定HCに昇格した。メイヨックGMはレイダースのスペシャルチームコーディネーターを務めてきたビサッチアを声高に支持している。

「彼のことは何年も前から知っている。スペシャルチームコーチだったため、彼はこのビルにいる他のどのコーチよりも多くの選手たちとかかわってきた。彼は攻撃陣の選手たちとかかわり、守備陣の選手たちともかかわっている。皮肉なのは、私が別の仕事をしているときに、何年も大学やNFLでの彼のヘッドコーチの仕事を何度も称賛してきたことだ。彼はロッカールームで尊敬されており、われわれのロッカールームでも、私がこれまで見てきたどのコーチにも引けを取らない敬意を集めている」

レイダースは日曜日にデンバー・ブロンコスと相手のホームで対戦することになっている。

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