守備の苦戦を無理に乗り越えようとはしていないとチーフスQBマホームズ
2021年10月15日(金) 00:30チーフスはいくつかの問題を抱えている。だが、問題に対処するためにはまず、それを認識しなければならない。
パトリック・マホームズはまだその段階に至っていないようだ。カンザスシティ・チーフスには明らかに守備面の問題があり、彼らのスーパースタークオーターバック(QB)マホームズはボールを保有している時にチームをゲームにとどめるというタスクを課されている。最近のターンオーバーの多さから判断すると、もしかしたら少し頑張りすぎているのかもしれない。
マホームズは過去3試合で6回のターンオーバー(インターセプトが5回、ファンブルロストが1回)を喫しており、チーフスはそのうち2試合で敗れている。カンザスシティでバッファロー・ビルズに驚きの敗北を喫したチーフスは、ターンオーバーバトルに4対0の大差で敗れている。ここまでの5試合で、マホームズはすでに2020年に浴びたインターセプトの合計と同じ数のインターセプトを浴びてしまった。
少なくとも5週にわたって、近年のチーフスにあったクリーンさや効率性が見られなくなっているのは明らかだ。それは、攻撃面の不備を解決できていないことや、サンデーナイトに関しては悪天候の影響もあったかもしれない。あるいは、マホームズが無理やり守備の弱点を乗り越え、ヒロイックにチーフスを勝利に導こうとしていることが問題なのかもしれない。
「そんなことは全然ない」と現地13日(水)、マホームズは『ESPN』を通して語った。「俺たちはフットボールに触れたら毎回得点しようとするものだ。それはここでの全キャリアを通して変わらないし、俺がここで先発するようになる前からそうだった」
「それが全ての試合に対する俺のマインドセットだ。フィールドに出る機会があって、成功する機会があるんなら、それを利用しなきゃ。ボールの反対側で何が起きていようと関係ない。それがこのチームのオフェンスとしての俺たちの仕事だ」
過去にあれほど簡単にできたアクションが、今シーズンはうまくいかない。残りのリーグがチーフスに追いついたということなのだろうかと不思議に思う人々もいる。それよりも可能性として高いのは、マホームズが自分の中だけでプレーしていないということかもしれない。
第2週のボルティモア・レイブンズ戦で、最後のチャンスにファンブルしたのは彼ではない。そのエラーはランニングバック(RB)クライド・エドワーズ・ヒレアーによるものだった。また、ビルズのディフェンシブバック、マイカー・ハイドの腕に彼のパスが飛び込んだのも、マホームズのコントロール外の出来事だった。ハイドはインターセプトからのリターンタッチダウンを決めたが、本来それをつかむはずだったのはワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルだった。
だが、この5週間でチーフスに何かが足りないのは確かだ。彼らは2勝3敗で、インターセプト率ではランキング26位、ターンオーバー差(マイナス7)では31位にいる。彼らの守備はNFL全体で1試合平均の被ヤードが2番目に多く、与えたポイントの平均も32.6で最下位となっている。
その数値――32.6――というのはどんなオフェンスであっても帳消しにはできないほどだ。そしてまた、毎週のフィールドで重いウエイトとしてのしかかる。しかし、今でも牙を持つチーフスがこの暗闇から抜け出す方法が1つある。自分たちの武器を信じることだ。
「自分を見失いたくはない。今までずっとあんなにうまくいっていたものをなくしたくはないんだ」とマホームズは言う。「けど同時に、基礎はしっかりしていなくちゃいけない。きちんとポケット内にとどまるんだ。毎年ちょっと調子が落ちることはあるし、同じことの繰り返しだよ。基本に戻り、そういう部分を完璧にする。それで他のことは全部自然とうまくいくって考えるんだ」
本当にそうなるかどうかは時が教えてくれる。とにかく、彼らにとってはそれが勝つための最大のチャンスなのだ。
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