シーホークスQBスミス、4年ぶりの先発出場に向けて準備万端
2021年10月16日(土) 05:18ジーノ・スミスの出番がやって来る。
現地17日(日)夜に控えるピッツバーグ・スティーラーズ戦でシアトル・シーホークスのクオーターバック(QB)スミスが4年ぶりに先発することになった。
2018年シーズンをロサンゼルス・チャージャーズのバックアップQBとして過ごした後、スミスは過去3年間、シーホークスでラッセル・ウィルソンのバックアップを務めてきた。スミスが先週までの3年間(2018年から2020年)で投げたパスはわずか9回だ。サイドラインで過ごした期間で、かつてニューヨーク・ジェッツのスターターだったスミスはフィールド内外での忍耐力を学んだことだろう。
『Associated Press(AP通信)』によれば、スミスは「リーグでプレーする能力があるにもかかわらず、その機会が何年も得られないと認識するのは忍耐力をはかるテストみたいなもんだ」と話し、こう続けたという。「それはクオーターバックを務める俺にも当てはまる。俺がもっと若かったとき、俺たちはカレッジでたくさんの得点を決めた。毎回、点を取ることに慣れていて、それが自分のメンタリティだった。でも、NFLでは毎回得点することなんてできない」
ウィルソンが指を負傷した後に交代したスミスは、シーズン第5週に行われたロサンゼルス・ラムズ戦の第4クオーターで何度もスコアリングドライブを導くなどの活躍を見せている。スミスは17回中10回のパスを成功させ、131ヤードとタッチダウン1回をマーク。終盤に足を滑らせたワイドレシーバー(WR)タイラー・ロケットがインターセプトを取られ、スミスとシーホークスの逆転劇は成し得なかったものの、このパフォーマンスは明るい話題となった。
手術を受ける予定のウィルソンは少なくともシーズン第10週までは先発を務められないと予想されているため、今季2勝3敗のスタートを切っているシーホークスは今後の試合に向けて、スミスに期待を寄せている。
8年前、23歳のときにジェッツの寵児となって以降、スミスはキャリアを通じて逆境を経験してきた。浮き沈みの激しいキャリアをスタートさせた後、スミスは2015年に元チームメイトのイケメファナ・エネムパリに殴られて顎を骨折し、ギャンググリーンでの先発の座を失っている。以来、先発出場はわずか2回で、最後に先発したのはニューヨーク・ジャイアンツに所属していた2017年だった。
「逆境に立たされたときは、自分の本領を発揮し、それに応えるチャンスでもある」とスミスは言う。「当時のことを振り返ってみると、あのときの俺はそれを完全に意識していただろうか? たぶん、していない。でも、続けていくうちに、そういうのがいかに自分を助け、成長させてくれるのかが分かるようになる。俺はそうなったんだと思う」
日曜夜、アウトラインバッカー(OLB)T.J.ワット(サック5.0回、QBヒット10回、フォースドファンブル2回)やディフェンシブエンド(DE)キャメロン・ヘイワードを擁し、クオーターバックを撃破し得るティーラーズの守備陣とスミスは対峙する。スティーラーズの守備陣を相手に活躍できれば、スミスのキャリアは真の意味で元通りになったと言えよう。
【RA】