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米議会の委員会がワシントンに関する調査の情報をNFLに要求

2021年10月22日(金) 12:17


ワシントン・フットボール・チームのロゴ【AP Photo/Susan Walsh】

アメリカ議会の委員会が、ワシントン・フットボール・チームに対する調査およびリーグがこの件にどう対処しているかについての資料と情報をNFLに求めている。

下院の監査・政府改革委員会が、11月4日(木)までにワシントン・フットボール・チームの職場文化の調査に関するすべての資料と情報を提出することを求める文書を、現地21日(木)にコミッショナーのロジャー・グッデルに送ったと明かした。

アメリカ下院議員である監査・政府改革委員会のキャロリン・B・マロニー委員長、および経済・消費者政策小委員会のラジャ・クリシュナモーティ委員長は、コミッショナーに向けた文書の中で「われわれはWFTの職場に広まっていたとおぼしき虐待的な振る舞いや、NFLの本件への対処について、深刻な懸念を抱いている」と述べ、こう続けた。

「また、リーグ運営陣とWFTのリーダーシップの間のコミュニケーションは、リーグが主張するこれらの調査における公平性への疑念を生じさせる」

NFLのスポークスマンであるブライアン・マッカーシーは、リーグがこの文書を受け取り、委員会の“すべての職場にいかなる形のハラスメントや差別もあってはならないとする関心”を共有したと話している。

ワシントン・フットボール・チームは2020年の夏に、セクシャルハラスメントを含む組織内での不適切なふるまいの申し立てについて調査するべく、弁護士のベス・ウィルキンソンを雇用した。リーグも後に調査を行い、7月にチームに対して1,000万ドル(約11億4,000万円)の罰金を科すとともに、チームの文化は“有害”であり、オーナーシップや上層部の人々がセクシャルハラスメントなどの職場の問題にほとんど関心を持たなかったと断じている。

オーナーのダン・スナイダーは日常業務から身を引いたものの、ウィルキンソンの調査に関する報告書は出ていない。

コミッショナーへの文書には「NFLが最近明らかにしたこの問題についての透明性の欠如は、偏見、人種差別、性差別、同性愛嫌悪といった問題にどの程度真剣に取り組んでいるのかに疑問を生じさせ、他の職場の悪しき前例となっている」とある。

今月初め、この調査に関連して収集されたEメールから、元ラスベガス・レイダースHC(ヘッドコーチ)のジョン・グルーデンが『ESPN』に所属していた時期に、ワシントンのブルース・アレン社長に対して送ったメールで人種差別や同性愛嫌悪、女性蔑視的な表現を用いていたことが分かっている。

グルーデンは10月11日にレイダースHCを辞任しており、ワシントン・フットボール・チームの元従業員40名の弁護団はすべての調査結果をただちに公開するようリーグに要求した。

NFLはこれを拒絶したものの、今回は委員会がその情報をはじめとする調査に関するすべての報告、ならびにリーグ側の担当としてウィルキンソンの調査を監督したリーグの法務部門トップであるジェフ・パッシュがこの調査で果たした役割の詳細、そして、報告書が出ていない理由を開示するよう求めている。

『The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)』はパッシュとアレンがリーグの多様性への取り組みについてのジョーク、選手のサラリーカット、NFLによる罰金の減額など、さまざまな話題にわたる数多くのメールをやりとりしたと報じた。

リーグとチームの間のやりとりの一部として、これらのメールは“適切”だとリーグは述べている。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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