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テキサンズとの対戦を前に「今の状況を見ると心が痛む」とカーディナルスDEワット

2021年10月22日(金) 14:05

アリゾナ・カーディナルスのJ.J.ワット【AP Photo/Mark Zaleski】

プレーオフでヒューストン・テキサンズがカンザスシティ・チーフスを出だしで追い詰めるも、チーフスの劇的な反撃によってテキサンズの記念すべきシーズンが突如終わりを迎えたのはわずか21カ月前のこと。

このAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のディビジョンゲームで起きた急転直下の展開が色あせてしまうくらい、その後にヒューストンが直面した展開はさらに厳しいものとなった。テキサンズの歴史の中で最も偉大な選手であるディフェンシブエンド(DE)のJ.J.ワットは、2月に別れを告げたフランチャイズをほとんどそれと認識することができない。

来る日曜日にアリゾナ・カーディナルスのディフェンシブエンドが元のチームと初めて対戦する際には、両極端な再会となるだろう。

『ESPN』によれば、ワットは現地21日(木)に記者たちに次のように話したという。

「当然、見た目通りというわけでない。世間が思っているような状況ではないんだ。今のロースター、今の選手たちを見てもらえば分かるけど、あまりにも入れ替えが激しくて、俺が去年一緒にプレーした選手はほんの一握りしかいない。まったく違うチームになってしまったから、“古巣のチームを倒してやるぞ”とか“早くアイツらと対戦したい”とか、そういった感情はないんだ。俺が覚えている、俺がかつて一員だった組織とはぜんぜん違う」

「俺の知らない選手ばかりだ」

テキサンズの変革の影響を受けたのは、2020年に先発した大半の選手だけではない。ジェネラルマネージャー(ワットの在籍期間はニック・カセリオとわずか1カ月しか重なっていない)や、ヘッドコーチ(HC)デビッド・カリー率いるコーチ陣も大きく変わっている。

2021年シーズンの6週目が終わった時点でテキサンズの戦績は1勝5敗、リーグ最低の点差(80点差)を記録している。ワットはプロとして最初の10年間をヒューストンで過ごし、NFLで最も若いフランチャイズに6つのディビジョンタイトルをもたらしたことで数々の賞を受賞した。そのうちの4つのタイトルは2015年から2019年にかけて獲得している。ワットは地元のコミュニティーでの活動にも熱心に取り組み、ヒューストンの街のために献身的なアンバサダーを務めた。

ワットは「だからこそ、今の状況を見ると心が痛むんだ。ファンの皆は最高の時間を過ごし、素晴らしい瞬間を経験するべきだと思っている。でも、ファンがそうできず、チームは苦戦していることを知ると心が痛む」と述べた。「だから、いつかまた高いレベルに戻ってほしいと思っている。俺はチームが乗っている時にプレーするには、あの街がどれだけ最高の場所かってことを身をもって知っている」

「あそこには俺の人生の10年分があって、10年間の人間関係があるんだ。ヒューストンで得たものをすべて捨てたわけじゃない」

テキサンズのファンも青と白に身を包んだワットとの思い出を大切にしていることだろう。

【R】