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「トレード期限すら知らない」とドルフィンズQBタゴヴァイロア

2021年10月28日(木) 16:39


マイアミ・ドルフィンズのトゥア・タゴヴァイロア【AP Photo/Hans Deryk】

トレード期限が近づいても、マイアミ・ドルフィンズのクオーターバック(QB)をめぐる混乱はまだ続いている。

ドルフィンズがヒューストン・テキサンズのQBデショーン・ワトソンに関心を持っているとのうわさを先週に鎮めようとしたのは、ドルフィンズのヘッドコーチ(HC)ブライアン・フローレスだった。今度はQBトゥア・タゴヴァイロア本人が、ドルフィンズにおける自らの未来の不確実性について質問に答えている。とは言え、タゴヴァイロアがそういった疑念に対してコメントするのはこの4日間で2度目のことだ。

ワトソンは法的な問題を抱えながらも、他チームからの関心を引き寄せてきた。現地11月2日(火)のトレード期限を控え、どうしてもこの手の話題について質問を受けることを避けられないタゴヴァイロアだが、答えとしては同じ姿勢を貫いている。

『Sun Sentinel(サン・センチネル)』によれば、タゴヴァイロアは「そのことを心配してすらいない」と話したという。

「トレード期限がいつかさえ知らないね」

常にトレード関連のうわさがあったことを考えれば、タゴヴァイロアがトレード期限を知らないというのはにわかに信じがたい。たとえ、17試合目が加わったことでその日程が例年とずれたとしてもだ。ある決まった日に未来が大きく変わる可能性があるならば、その日が頭に入っていてもおかしくはないはずだ。

タゴヴァイロアはフットボールのことだけに集中している。彼は見る人々にそう信じさせるだろう。そのフォーカスは、昨シーズンに苦戦していたドルフィンズにあと少しで勝利をもたらすところだった。前回の試合でタゴヴァイロアは2度のインターセプトを喫す一方でタッチダウンパスを4回通し、守備陣がアトランタ・ファルコンズのフィールドゴール圏内への侵攻を許すまでは、チームを勝利に導く位置につけていた。

厳しい敗北が続いているドルフィンズに、また新たにつらい黒星がついた。1勝6敗という戦績に加えてトレード期限が迫っていることで、事態は緊迫しているように見える。

それでも、タゴヴァイロアは2020年ドラフトの全体5位で指名を受けた自分こそがドルフィンズのクオーターバックだという姿勢を崩さない。

「自分がこのチームのクオーターバックだということに、最大限の自信を持っている」とタゴヴァイロアは言う。

「フロー(フローレスHC)とのオフでの会話は、プライベートにしておくよ。俺は自分こそ、その人間だってことにすごく自信を持っている」

タゴヴァイロアはこのチームのクオーターバックだ。少なくとも、今のところは。当然、トレード期限が過ぎるまでは注目され続けるだろうし、期限前のトレードがないとして、本人もそれまで心から安心することはできないだろう。

おそらく、この話題に関するエピソードで最も悲しいのは、2年以上前に歓喜をもって自分を指名したチームから、まだ必要とされていると感じるかという質問をタゴヴァイロアが受けたことだろう。

「必要とされていると感じていなくはない」とタゴヴァイロアは答えた。

その不自然なところのある答えが、現状を物語っているのかもしれない。

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