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ブラウンズがベッカムをリリース、スターWRはウェイバーへ

2021年11月05日(金) 23:57

オデル・ベッカム【AP Photo/Kirk Irwin】

ワイドレシーバー(WR)オデル・ベッカムのクリーブランド時代が終わろうとしている。

現地5日(金)、『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロとイアン・ラポポートが状況を知る人物の話を元に、クリーブランド・ブラウンズがベッカムをリリースする計画だと伝えていた。

その後、クラブ側とベッカムが契約の変更に合意したため、リリースは実際に行われるとラポポートが報道。ベッカムはウェイバーにかけられることになる。チームも後に、このプロセスは完了に向かっていると認めた。

ジェネラルマネジャー(GM)アンドリュー・ベリーは声明にて「慎重に検討し、内部での話し合いや、オデルや彼の代理人との対話を経て、われわれは関連するすべての陣営にとってオデルがこれ以上クリーブランド・ブラウンズのためにプレーしないのが最良だとの決断に至った」と述べている。

「クリーブランドにいる間の彼のすべての努力と貢献に感謝する一方、われわれはチームとしてオデルと別れて進んでいくことがベストだと考える地点に至った。われわれはオデルのリリースを承諾するこのプロセスを完了しつつあり、彼の今後のキャリアの成功を祈っている」

火曜日にソーシャルメディア上でベッカムをクリーブランドからリリースすべしとの声が上がっており、予兆はすでにあった。ソーシャルメディア上の動きの中では、ルート上でオープンになっているベッカムの方向にクオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドがパスを投じない様子を、ベッカムの父が動画で投稿している。ブラウンズは火曜日の期限前にベッカムをトレードしようとしていたが、間に合うように交渉をまとめることはできなかった。

ブラウンズは水曜日と木曜日にOBJの練習を免除しており、契約状況さえ解決できれば動きに出ることが示唆されていた。

2年と半分ほどのシーズンにブラウンズの一員として出場した29試合で、ベッカムはターゲット210回中キャッチ114回、1,586ヤード、タッチダウン7回を記録。2021年の6試合ではターゲット34回中キャッチ17回、232ヤード、得点はなしとなっている。去る日曜日にピッツバーグ・スティーラーズに敗れた試合では、ベッカムはキャッチ1回で6ヤードをマークしており、これはフル出場した試合ではキャリア最低の数字だった。

ベッカムはブラウンズの今季8試合において、ターゲットになった回数が最も多い。

スターワイドアウトがメイフィールドとの間に信頼関係を見い出すことはなかった。2人は2019年に良好なスタートを切り、ベッカムが出場した16試合でキャッチ74回、1,035ヤードを記録したものの、親和性の不足が生産性の低迷につながっている。

過去2年を見れば、ベッカムの苦戦はヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーの攻撃においてより激しいものとなった。2020年はスロースタートを切り、7試合でキャッチ23回、319ヤード、タッチダウン3回をマークした後、ACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂。今年はケガから復帰した後に問題がまた新たな高みに達したが、副次的なこととして扱われていた。

確かにメイフィールドがベッカムへのパスを失敗することはあまりに多く、そうでなければベッカムを見ていないこともあった。とは言え、タンゴは1人では踊れない。ベッカムの努力も常に素晴らしかったわけではなく、キャリア初期ほどコーナーバックたちを圧倒できたわけでもない。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、ベッカムの予測パス成功率は7.9%だった。

ステファンスキーHCのスキームも、OBJの強みにはならなかった。ワイドアウトが特定のスポットにいることを前提とするオフェンスや、一連の流れにおけるQBリーディングは、ニューヨーク・ジャイアンツでベッカムをスターにしたいくつかの要素とは相いれなかった。

金曜日に29歳になったベッカムは、クリーブランドからの離脱を望んでいた。ブラウンズには不満に対処しながらやっていくのではなく、その願いを叶える用意がある。

天性の才能や殿堂級のキャリアスタートを承知しながらもOBJを手放すのは、ブラウンズで2チーム目になる。ジャイアンツは5年間に5,476ヤード、タッチダウン44回を記録したベッカムをクリーブランドへトレードした。キャリアスタートからプロボウル選出3度を果たしたベッカムだが、ジャイアンツとブラウンズで過ごしたここ5年ではキャッチ216回で2,940ヤード、タッチダウン16回にとどまっている。

次の疑問は、正式にウェイバーにかけられた際にベッカムがどこへ落ち着くかだ。トレード期限を過ぎた後のすべての選手と同様、ベッカムもウェイバーの対象となる。クレームされなければ(クレームしたチームはベッカムの残る契約を引き取ることになる)、ベッカムはキャリアで初めてフリーエージェント(FA)になる。

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