ニュース

人気ダンス番組の出演を蹴ってフットボールのチャンスを模索したタイタンズRBピーターソン

2021年11月08日(月) 09:02


テネシー・タイタンズのエイドリアン・ピーターソン【AP Photo/Mark Humphrey】

この初秋、ランニングバック(RB)エイドリアン・ピーターソンの電話が鳴り続けていた。

未来の殿堂入りが確実ながらもまだフリーエージェントだったピーターソンの動向を、複数のフットボールチームが追っていたのだ。また、フットボールとは関係のない電話も、そこには含まれていた。

ピーターソンのエージェントである『SportStars(スポーツスターズ)』のロン・スラビンによれば、ピーターソンが15シーズン目にプレーするべくトレーニングを積んでいる間、テレビ番組『Dancing with the Stars(ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ)』から出演を打診されたという。アメリカでも最も有名な番組の一つであるだけに、あるいはピーターソンが検討することもあったかもしれない。

しかし、それはまだ9月初めのことで、ピーターソンはプレー続行を望んでいた。ピーターソンがいずれかのチームとの契約に至った場合、プロデューサーは秋の生番組(9月末開始)からの降板を許容しただろう。だが、ピーターソンはフィールドにすべての集中力を向けることを希望した。

かくして、ピーターソンは一つのチャンスを退け、トレーニングを続けてきた。

こういった努力のすべてが、この週末に報われた。テネシー・タイタンに加わったピーターソンは、負傷したスーパースターRBのデリック・ヘンリーが抜けた穴を埋める選手たちの一人として、ロサンゼルス・ラムズ戦に出場する。

今週の練習後、ピーターソンは「いい気分だ」と話していた。

「彼らが俺のナンバーをコールすれば、俺はそこへ出ていってどんな形であれ自分にできるやり方で貢献するつもりだ。こういう瞬間のために、俺は自分自身の調子を整えておこうと仕事をしてきた」

ダンシング・ウィズ・ザ・スターズに出演すれば、ピーターソンは数百万ドル(百万ドルは約1億1,300万円)を手にしていただろう。

最初は練習生として契約したピーターソンだったが、先週の金曜日に53名ロースターに昇格。契約は月曜日にワークアウトを行ってすぐにまとまっている。プレーブックに没頭したピーターソンは、日曜日の試合にアクティブ登録されるのに十分な進展を印象付けていた。

「俺みたいなランニングバックや、俺のようなスタイルのランニングバックにとって理想的な状況を考えれば、それは今ここになるだろう。彼らがやれと言うことなら、何でもやるつもりだ」とピーターソンは報道陣に話している。

ダンシング・ウィズ・ザ・スターズは7度のプロボウラーにしてオールプロ選出4度のピーターソンを待ってくれるだろう。仮にそのときが来るとして、おそらく引退のときまで。

現時点で重要なのは火曜日に足の手術を受け、6週間から10週間の離脱が見込まれているヘンリーの穴を埋めることだ。タイタンズはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区でインディアナポリス・コルツに2.5ゲーム差をつけて首位となっている。タイタンズがプレーオフまでこの勢いを続けられれば、ヘンリーの復帰の可能性が現実的になってくる。

他のメンバーに並ぶ一員としてだが、今のところピーターソンはタイタンズの課題に対する一つの答えになっている。

ジェネラルマネジャー(GM)ジョン・ロビンソンはチームのウェブサイトで「彼はフットボールの動かし方を確かに知っている。長いことそれをやってきたし、ハイレベルで成し遂げてきた」と語り、次のように続けている。

「われわれは彼に連絡し、彼はチャンスに奮い立っていた。彼のワークアウトを行ったところ、素晴らしい様子だったし、最高の形で来ており、われわれは彼が自分たちのフットボールのスタイルや、われわれの望むプレーの仕方に合うと感じた」

【A】