パンサーズ復帰のQBキャム・ニュートン、ファンに50枚のチケットを配布
2021年11月19日(金) 11:37クオーターバック(QB)キャム・ニュートンは“クラーク・ケント”と書かれたフェイクの取材許可証を付け、中折れハットをかぶって記者会見に臨んだ。着用していたTシャツには自らが叫んでいる様子のイラストと“I’m back!!!(俺は戻ってきたぞ!!!)”という文字が書かれている――そして、“I’m(俺は)”の部分が斜線で消され、上から“We(俺たちは)”とプリントされていた。
ニュートンは間違いなくカロライナ・パンサーズに戻ってきた。現地18日(木)に発したメッセージは、すべてのファンに向けられたものだ。特に、ファンには試合を応援しに戻ってきてほしいのだろう。
「今度の日曜日は俺たちにとって重要な日になる。バンク・オブ・アメリカ・スタジアムを取り戻さないといけない。まだ成功していないのは分かっているけど、俺たちは過去の話をしているんじゃない。前進し続けている今この瞬間の話をしているんだ」
かつて長年にわたって所属していたチームに復帰して1週間が経ち、ニュートンはチームから受けた恩をファンに返そうとしている。ニュートンはワシントン・フットボール・チームと対戦するホームゲームのチケット50枚を、パンサーズの試合に参加する機会のない人々にプレゼントする計画を発表した。これはつい最近、いとこと会話をしているときに思いついたアイデアだと言う。ニュートンはシャーロットに戻る機会があれば、今までと違うことをしたいと話していたそうだ。
ニュートンは会話を思い起こしながら「これまでになかった方法で街を一つにまとめる」と語っている。
前回の試合において、威勢のいいクオーターバックは序盤2回のスナップでそれぞれタッチダウンを決め、チームとファンに元気を与えた。約2年ぶりにパンサーブルーに身を包んだニュートンはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)首位のアリゾナ・カーディナルスを34対10で破るという見事な逆転劇を演出した。
今週末、ニュートンはスターターとして11年間のキャリアを通して最も多くプレーしてきたスタジアムに戻ってくる。このスタジアムを再び自分のホームにすると決めたニュートンは次のように説明した。
「単純明快、俺が知っているのはバンク・オブ・アメリカ・スタジアム1つだけ。そんなわけで、これは俺の予言を的中させるようにする人々への挑戦だ。フットボール界で日曜日に出場したい場所は、バンク・オブ・アメリカ・スタジアム以外にないと言った。というのも、いろんな意味でプレーオフの雰囲気になるからだ。俺が何者なのか、この試合が俺にとって何を意味するのか、俺たちが誰と対戦するのか、その試合が彼らにとって何を意味するのか、といったことは無視するよ。昔から知っていた方法で競争力を回復させてカロライナに誇りを取り戻そう」
パンサーズ(5勝5敗)は過去3シーズンでポストシーズンに出場していないが、現在はカンファレンスの第7シードの位置につけている。かつてパンサーズに在籍していたワシントンのヘッドコーチ(HC)ロン・リベラはその9年間の在籍期間がニュートンとほぼ重なっていたため、次戦はより親密性の高い試合となるだろう。それが日曜日までの話題になるのは間違いないとはいえ、ニュートンはむしろ、初めて相手チームとして対峙するリベラHCの率いるワシントンが何をしてくるのかを議論したいだろう。
ニュートンは「106人分の物語なのに2人分の物語になるのはごめんだ」と語り、「俺たちのことじゃない。俺のことじゃないし、彼のことでもない。彼は俺がどう思っているかを知っている。そして、日曜日に何が起こるのかもね」と続けた。
その試合は誰にとっても郷愁を誘うものになるだろう。
【RA】