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セインツQBシーミアンは2連敗でも「良くやってくれた」とペイトンHC

2021年11月19日(金) 11:47

トレバー・シーミアン【AP Photo/Derick Hingle】

クオーターバック(QB)ジェイミス・ウィンストンがケガによりシーズン終了となった際に、ニューオーリンズ・セインツは今季を左右する重要な分岐点に直面した。

QBトレバー・シーミアンが代わりに先発を務めることになったチームはうまく軌道修正できるかもしれない。今シーズンのシーミアンはこれまで3試合(うち2試合は先発)に出場し、57.7%のパスを成功させながら706ヤードを積み上げ、タッチダウン対インターセプト比は5対0と、ウィンストンよりも良いとは言えないまでも、十分なプレーを見せている。チームはシーミアンが先発した2試合の両方で負けているが、それは彼のパフォーマンスが原因ではない。

セインツは2試合とも2点差で試合を落としており、チームにエキストラポイントを決められるキッカー(K)さえいれば、シーズン第10週は勝てたはず、もしくは、少なくともオーバータイムに持ち込むことができたはずだ。シーズン第9週の試合では第4クオーターでシーミアンが猛反撃に出て、24対6で負け越していたところから1点リードに成功。ところが、セインツはファルコンズがわずか1分の間に64ヤードを稼ぐことを防げず、最後はKヤンオエ・クーに決勝点となる29ヤードのフィールドゴールを決められて敗れている。

セインツのワイドレシーバー(WR)マーキス・キャラウェイは「トレバーはしっかりやってくれている」と『Associated Press(AP通信)』に述べた。「俺たちには解決すべき課題や乗り越えなきゃならないことがあるけど、トレバー自身は良い仕事をしている」

ヘッドコーチ(HC)のショーン・ペイトンは記者たちに対して、今シーズンのシーミアンはフィールドに立っている間は「良くやってくれた」と話している。どうやらシーミアンはチームの中でも外でも、大半の人の期待を上回っているようだ。

今シーズンのシーミアンは落ち着き、冷静で、自信に満ちた様子を見せており、2021年に2度目に先発した試合ではいっそうその部分を改善したように見えた。残り時間1分25秒、サードダウン残り8ヤードという重要な場面で、シーミアンがキャラウェイに放ったタッチダウンパスは見事に2人のディフェンダーの間をすり抜けている。タイトエンド(TE)アダム・トラウトマンのフォルススタートにより敵陣7ヤードのところから始まった2ポイントコンバージョンのプレーで、シーミアンはランニングバック(RB)のマーク・イングラムへのパスを繋ぐことはできなかったものの、シーミアンを司令塔に据えてからセインツは2週続けて後半で攻勢に転じることができている。

WRトレクアン・スミスはシーミアンについて「彼は決して動揺しない。彼らしくない振る舞いも見たことがない。クオーターバックに求められる姿勢だ」とコメントしている。

このような冷静さと素早い判断力により、シーミアンは2016年にデンバー・ブロンコスがQBペイトン・マニングの引退後に初めて迎えるシーズンで先発に指名されたことがある。主力クオーターバックの後を継いだシーミアンは先発として8勝6敗を記録したが、ブロンコスはポストシーズンに進むことはできなかった。

時間の経過とともにシーミアンは成熟、あるいは少なくともかつてペイトンが先発クオーターバックの資質と考えていた長所を伸ばすことができたのだろう。

ペイトンは「速く正確な判断ができる選手だと見込んだんだ」と当時のシーミアンを振り返える。「先発していた時の動画を見た当初は、そういう素質と彼の身体能力が印象的だった」

NFLでバックアップのクオーターバックは、チームが窮地に追い込まれた場面で試合に放り込まれることが多く、速さと正確さが最も重要となる。今のところシーミアンはうまくやっていると言えよう。

急激に競争が厳しくなったNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区でセインツは有利な立場にある。あとはシーミアンがセインツを勝利に導き、連勝を重ねていくだけだ。

【R】