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選手の安全確認のプロセスに疑問符

2016年09月10日(土) 06:51


ピッチの上に横たわるパンサーズのキャム・ニュートン【AP Photo/Joe Mahoney】

現地8日(木)のカロライナ・パンサーズ対デンバー・ブロンコスの開幕戦で、キャム・ニュートンに対する頭部への執拗(しつよう)なタックルが繰り返された。パンサーズは試合で惜敗を喫している。

パンサーズのクオーターバック(QB)を務めるニュートンは、試合中に何度かヘルメットに衝撃を受けたが、そのうち反則を取られたのは1回だけだった。

そのプレーとは、パンサーズの最後のドライブでボールを投げようとしたニュートンの側頭部に向かって、ブロンコスのフリーセーフティ(FS)、ダリアン・スチュワートが頭突きするという危険なものだった。この際、ニュートンは頭に強烈な打撃を受けたにもかかわらず、彼に脳振とうの検査が行われなかったことが問題視されている。

これについて『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは、リーグのスポークスマンから説明を受けたという。

「外部の神経外傷コンサルタントと、ブース内にいた2人の独立公認アスレチックトレーナーのスポッターたちを交えて、カロライナ側のサイドラインで医療関係者とのやりとりが行われたということだ。プレーを中断してフィールド上のオフィシャルがペナルティーを管理している間、外部の神経外傷コンサルタントとチーム医師がスポッターの映像を見せてほしいと要求し、プレーを見直した。そこで彼らはさらなる検査や選手の退場を要するような脳振とうの兆候は見受けられないと結論づけた」

NFLは選手の安全性向上に力を入れていることから、ニュートンの件はさらなる議論に発展するかもしれない。試合中に医療の専門家が直接選手と話すことなく、コンサルタントが映像を見ただけで脳振とうを起こしていないと判断していいものなのかどうか、疑問の声が上がっている。

幸いにもパンサーズとニュートンは試合後に脳振とうプロトコルの対象にはならずに済んだ。彼は試合後にプロトコルを受けるべきか判断するための質問を受けたと述べたが、“それほど深刻なものではなかった”と付け加えている。

ニュートン自身は今回のヘルメットによるタックルそのものをあまり問題視していない。

「オフィシャルに問題提起するのは俺の仕事じゃない」とニュートンは述べた。「今回の審判はすごく良かったから、わざとじゃないことは分かっている。俺たちが負けたのはそのせいじゃない。それははっきり分かっているんだ。もっとうまい攻撃方法を考えないとな」