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トレードでのQBフラッコ獲得の決断を支持するジェッツHCサラー

2021年11月25日(木) 12:12

ジョー・フラッコ【AP Photo/Adam Hunger】

厳しい2021年シーズンを送るニューヨーク・ジェッツはクオーターバック(QB)ザック・ウィルソンが負傷した際に予測しない展開に直面した。ベテランQBをトレードしたことで、ジェッツの旅はさらに例外的なものとなっている。

ジェッツがトレードしたベテランQBとはジョー・フラッコだ。フラッコは新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種していないため、チームに加わって2週間は代役に立つことはできなかった。さらに、攻撃陣のパフォーマンスを十分に発揮させるには、ジェッツのやり方を消化するための時間が必要になる。シーズン第10週にQBマイク・ホワイトと交代で出場したフラッコは、シーズン第11戦に先発。いずれの試合もジェッツは17ポイントしか獲得することができずに敗北した。

ジェッツはフラッコと引き換えに6巡目指名権をフィラデルフィア・イーグルスに送った。しかし、そのフラッコはリザーブ/COVID-19リストに置かれているため、また出場できないことになりそうだ。

ワクチンを未接種の選手に濃厚接触があった場合は最短でも5日間は活動できず、本人が陽性だと10日間の隔離が必要になる。その間にもウィルソンが回復し、日曜日の試合で先発する見込みだ。ホワイトが除外される中、フラッコがアクティブにならなければ、練習生とアクティブロースターを行き来するベテランのジョシュ・ジョンソンがジェッツのバックアップQBを務めるだろう。

ロバート・サラーHCは「私はこれを永遠に支持する。ジョーほどの腕前の選手を6巡目指名権と交換するとの申し出があるなら、私としてはリスクはない」とコメントしている。

「家計をやりくりしてプレーしているんだ。前にも言ったが、一つのスポットをトレードして6巡目指名権を急いで取り戻すこともできる。ドラフト資本についても見ているのは分かっているが、それは簡単なことだ」

「力を証明したクオーターバックがいるという意味で、簡単な決断だった。スーパーボウルのクオーターバックであり、記録を保持していて、代役に立つ必要があればその攻撃陣に馴染むことができる。そのことは彼が日曜日に証明しており、マイアミのプレッシャーシステムに対して卓越した仕事を果たした。だから、それ自体は黄金の価値がある。ドラフト資本に関しては、頭を悩ませるまでもないことだったという考えだ。6巡目指名権を取り戻すのは決して難しくない」

6巡目指名権を取り戻すのが難しくないというのは確かだ。しかし、ホワイトとジョンソンも多くのスナップでプレーしていることを考えれば、ジェッツが本当にフラッコを必要としていたのかという疑問が出てくるのも無理はない。かつてはエリートに近く、ボルティモア・レイブンズの要石となるべきクオーターバックだと見られていたフラッコだが、過去数シーズンはデンバー・ブロンコス、ジェッツ、イーグルス、再びジェッツで送っている。今季唯一のフルゲームでは優れたプレーを見せ、パス39回中24回成功、291ヤード、タッチダウン2回を記録した。

それでも、ジェッツはフラッコが出場した2試合で負けている。6巡目指名選手がチームのキープレーヤーになることは多くないが、ないわけでもない。ジェッツはロースターを競争力のあるグループに育て上げようとしており、サラーHCの初年度に(スケジュール上の次の試合に勝とうと務める以外は)取り組むべきことは多くない。であれば、6巡目指名権は長い目で見ればフラッコ以上の意味を持つかもしれない。

しかし、コーチたちは承知している通り、このリーグでは最近のパフォーマンスばかりが取り上げられがちだ。フラッコをトレードで獲得した当時、1勝5敗のジェッツは全体2位で指名した選手を失ったばかりであり、追い詰められた状況にあった。

ともあれ、トレードは行われ、フラッコはニューヨークにやってきた。ウィルソンが出場できるようになった今、フラッコが今季にフィールドに立つことはもうないのかもしれない。6巡目指名権という代償が価値のあるものだったかについては、2022年にも注目したい。

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