シーホークスQBウィルソン、WRメットカーフがキャッチ1回に終わった試合を反省
2021年12月01日(水) 14:27ワシントン・フットボール・チームに17対15で敗れたマンデーナイトの前半で、シアトル・シーホークスのワイドレシーバー(WR)D.K.メットカーフにパスが出ることは一度もなかった。ビッグプレーを生み出すはずのレシーバーがターゲットとなったのはわずか4回。そのうち成功したキャッチは1回で13ヤードという悲惨な結果に終わっている。
ヘッドコーチ(HC)のピート・キャロルは、メットカーフを囲んで自由な動きをさせなかったワシントンのディフェンスを評価した。
キャロルHCは「われわれが彼にボールを渡そうとしなかったからではない」とチームの記者団に述べている。「彼はすべてのコールに関わっているが、相手のカバレッジが妨げとなることもあり、他の選択肢を選ぶ判断をしなければならない。現時点では、この状況で彼を見過ごしていたとは言えない。相手のディフェンスは良い仕事をしていたが、彼がわれわれのコールに欠かせない選手であることには変わりない」
ワシントンのディフェンスがメットカーフの不調に一役買っていたのは確かだが、シーホークスのオフェンスは前半にわずか18プレーしかできず、試合を通して6回もスリーアンドアウトとなっている。
さらに、ワシントンのディフェンスはNFL内で28位となっており、シーホークスは決して“リージョン・オブ・ブーム”のようなディフェンスと戦ったわけではない。当然ワシントンのロン・リベラHCはグリーンベイ・パッカーズのデイバント・アダムス、アリゾナ・カーディナルスのディアンドレ・ホプキンス、ロサンゼルス・ラムズのクーパー・カップ、バッファロー・ビルズのステフォン・ディッグス、ミネソタ・バイキングスのジャスティン・ジェファーソンといったNFL屈指のレシーバーに対するのと何ら変わらない策を練ってきたにすぎない。彼らはディフェンスに読まれていたとしてもボールをしっかり手にしている。
メットカーフがプレーに絡めていないのはシーホークスのオフェンスが機能していないからだ。3勝8敗に後退したシーホークスのシーズンを好転させるには、この不具合を修正する必要があるとクオーターバック(QB)のラッセル・ウィルソンは認識している。
「ああ、もちろんDKにもっとボールを回さないといけない。彼を起用するプレーは何回かコールしたんだけど。実際、ディープフィールドの良いところでオープンになって、タッチダウンも決められそうなチャンスはあったんだ。でも、運悪くタイラー・ロケットがビッグプレーを決めた直後で、次はDKじゃないかって多分読まれていた。決まっていたら最高だったよ。その後も彼を狙ったコールをしたんだけど、ディフェンスのマークが固くて、他の2回のプレーも同じだった。それが第3クオーターだ。だから他のプレーを選んだ」
「彼は世界で最高の選手の一人だ。だから、なんとかして彼にボールをつないでもっと彼を活かす必要がある。何ができるか対策を考えてみるつもりだよ。左側のサイドラインだったか記憶は定かじゃないけど、彼はセカンドかサードダウンでクラッチパフォーマンスを見せてくれた。チームが進み続けるチャンスを作ってくれたビッグプレーだ。俺は誰よりも彼のことが大好きなんだ。彼がこのチームの要なのはみんな分かっているから、できるかぎり彼を活かさなければならない」
メットカーフの唯一のキャッチは残り時間1分6秒の時点だった。
月曜日の試合は冴えなかったが、シーホークスの苦戦は今に始まったことではない。この一カ月を通してシーホークスはメットカーフを活かすことができておらず、マンデーナイトを終えた時点でメットカーフのレシービングヤードは4試合続けて45ヤードを切っている。メットカーフが最後にこの数字を超えたのは、シーズン第7週のニューオーリンズ・セインツ戦で合計96ヤードのうち84ヤードを1回のキャッチで稼いだ時だ。
もしウィルソンとシーホークスがメットカーフのことを「世界で最高の選手の一人」だと本当に信じているのなら、彼の出番を増やすべきだ。でなければ、メットカーフに対する称賛の言葉が嘘なのか、あるいは悪意をもって彼の才能を潰しているのか、そのどちらかということになるだろう。
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