アメリカCDCがNFLのワクチン接種活動を社会モデルになる成功事例としてシェア
2021年12月01日(水) 20:122021年前半に安全、有効、そして無料のワクチンが広く接種可能になったという歓迎すべきニュースがNFLコミュニティーにもたらされた。厳しいプロトコル、毎日の検査や接触者の追跡を必要とした2020年シーズンを終えて、2021年シーズンはワクチンを受けてさえいれば、NFL選手や関係者たちにとって以前よりはるかに楽なものになることが約束された。
社会全体と同様に、NFL内でもさまざまなレベルでワクチンの接種をためらう選手や関係者は存在した。しかし、教育、プロトコルの施行やリーダーシップからの一貫したメッセージ発信のかいあって、11月30日(火)現在で94.5%のNFL選手がワクチン接種を済ませ、NFL関係者については100%近くが接種を完了した。この数字は人口統計学的に照らし合わせると、社会全体を大きく上回るものだ。
その印象的な値を受け、疾病対策予防センター(CDC)はワクチン接種の動機付けや促進を目的として、NFLとNFL選手会(NFLPA)の戦術を分析した論説を発表した。CDCは発表に際し、リーグの活動が従業員へのワクチン接種を促し、教育し、動員することを目指す他のビジネスや組織のモデルとなることを期待している。
CDCのリポートは、以下のプライオリティーに焦点をあてている。
1. 信用されたメッセンジャーたちによる教育
春にワクチンが広く接種可能となって以来、NFL選手たちは早くから頻繁にワクチンについて信頼できる情報を与えられる立場にあった。
ベースラインとして、全選手、コーチと関係者に対し、記録されたビデオ、テレビ会議プレゼンテーションや文書を通じて、独立した医学的専門家による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の教育セッションを完了することが要求された。加えて、そうしたセッション後にワクチンについての会話を継続するため、NFLは医学的専門家たちが選手たちの地元コミュニティーでCOVID-19のワクチンに関する質問に答え、誤った情報を訂正し、知識を持ってワクチンについての判断ができるように協力を求めた。
リーグは多くのケースで、発信するメッセージと同様にその発信者が重要であることを学んだ。歴史的黒人大学出身の医師や専門家を含む医学的専門家の他、チーム医、アスレチックトレーナー、ベテラン選手やコーチといったロッカールームのリーダーたちが、ワクチン接種を進めるリーグの活動において重要なメッセンジャーの役割を果たした。こうしたロッカールームのリーダーたちが強力にワクチンを支持し、チームとコミュニティーで個人の感覚にアピールしたクラブほど、チーム全体での接種率が最も高かったとNFLは述べている。
平行して、NFLはより広く一般市民にワクチンの重要性について知ってもらう教育の場を設けようとした。NFLはそのプラットフォームを使って、公共サービス機構(PSA)、広告協議会、NFLアルムナイ・ヘルスのCDCとのパートナーシップや他の公的教育機関を通じてCOVID-19のワクチン接種を促進するメッセージを広めた。
2. アクセシビリティー
当初より、NFLはワクチンへのアクセスを妨げるロジスティックなバリアの排除に取り組んだ。利便性を最大限に高めるため、NFLはCVSファーマシーや地元ヘルスケアプロバイダーとのパートナーシップを通じて、各チームの春季トレーニングキャンプ施設でワクチンを用意した。こうしたオンサイトのワクチン接種クリニックを開設中に、NFLは選手の家族や関係者にもワクチンを提供した。クラブ施設ですぐにワクチンが打てるようになったことで、接種率は増加したとリーグは述べている。
3. プロトコルの推進
2021年シーズンに向けて、リーグは内容を一新したプロトコルを策定し、安全で効果的なワクチンが広範囲に利用可能なことを説いた。中でも注目されるのは、こうしたプロトコルにはワクチン未接種の選手に対し、毎日の検査、屋内でのマスク着用義務、フィジカルディスタンシングや旅行制限を含む厳格なポリシーが含まれていた点だ。加えて、リーグの2021年COVID関連運営方針の中で、ワクチン未接種の選手の間でCOVID-19のアウトブレークが起き、そのために試合が中止となった場合には、感染者を出したクラブの没収試合となることが明記された。これはワクチンを接種することがクラブ全体としての競争的利益になることを強調している。
予測困難なワクチンの性質を認識しているNFLとNFLPAは、今後も次の数カ月で変化する状況に合わせてプロトコルを適応させていくことを誓っている。
NFLのワクチン接種活動に関するCDCの最新リポートは、2021年1月に発表され、社会全体に広く適用可能なNFLのCOVID-19緩和戦略の効果的要素について詳述したCDCの週刊疾病率死亡率報告(MMWR)内の研究に続いて出されたものだ。
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