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NFLで8季プレーした元タイタンズSバカーロが引退、eスポーツ組織立上げへ

2021年12月02日(木) 12:39

ケニー・バカーロ【Joe Robbins via AP】

ケニー・バカーロはフットボールのキャリアに終止符を打ち、バーチャルな新しい世界に足を踏み入れようとしている。

テネシー・タイタンズとニューオーリンズ・セインツでセーフティ(S)としてプレーしたバカーロは現役を引退し、プログラマー兼起業家と共同で設立した新しいeスポーツの組織を立ち上げるとのことだ。『G1』または『Gamers First(ゲーマーズ・ファースト)』として知られる同組織がニュースリリースを発表しており、その中でバカーロは次のように述べている。

「これは決して勢い任せの決断ではなくて、じっくりと考えたことだ。俺はフットボールをプレーしてきた年数よりもゲーマー歴の方が長いから、自分のことをまずゲーマーとして考えてきた。だから、長年の夢が叶ったということなんだ。周りは俺のことをフットボールで定義してきたけど、G1は他のアスリートにとっても、ヘルメットを脱いだからといって人生が終わるわけではないことを証明してくれる。人はいつだって新しい道に進むことができる」

バカーロはフットボールのヘルメットの代わりにこれからはヘッドセットを装着し、ファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)の『Halo(ヘイロー)』でeスポーツの世界チャンピオンを目指す。バカーロはNFL選手として過ごした8シーズンで110試合(うち先発は109試合)に出場し、タックル610回、タックルフォーロス35回、インターセプト10回、パスディフェンス44回を記録してきた。

テキサス大学出身のバカーロは2013年に1巡目指名でセインツに入団。2013年シーズンの最初の一カ月でベテランのSロマン・ハーパーの代わりとして出場を果たし、その年のプレーによってNFLの最初のシーズンでPFWAオールルーキーチームに選ばれた。見事なスタートを切ったバカーロはその後も堅実なプレーを続けるも、キャリアとしてはほぼ横ばいの状態が続き、1巡目指名の選手として期待されるプロボウルやオールプロ級にまでは至らなかった。

ルーキー契約の満了とともにセインツはバカーロに別れを告げ、代わりにボン・ベルやマーカス・ウィリアムスなどのセーフティがその穴を埋めた。

一方のバカーロはタイタンズに移籍。チームは2018年のレギュラーシーズン開幕前にジョナサン・サイプリーンがACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂したことで、急きょ代わりのセーフティを必要としていた。バカーロはタイタンズでレギュラーシーズン42試合、ポストシーズン4試合に出場し、2019年シーズンのディビジョナルラウンドではタイタンズがボルティモア・レイブンズに逆転勝利した際にインターセプトを記録して試合に貢献している。

バカーロは昨年にタイタンズとも別れ、現地1日(水)に引退を発表するまではフットボールから離れていた。eスポーツがメディアの新たな境地を切り開き、ゲームの人気がかつてないほど高まっている中、初代Haloをはじめとするプレイステーション2やXboxのゲームで育った世代であるバカーロは、これからその情熱を別の競技で燃やす。

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