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バッカニアーズQBブレイディには「恐れ多くて」軽口をたたけなかったコルツLBレナード

2021年12月03日(金) 00:50

インディアナポリス・コルツのダリウス・レナード【NFL】

ディフェンディングスーパーボウルチャンピオンが町にやってくるとなれば、どんなチームでもホームの観衆の前で自分たちの力を見せてやろうと大いに意気込むものだ。

その相手チームに7度のスーパーボウルチャンピオン、トム・ブレイディまでいるとなると、なおさら思いは強くなる。

『Hard Knocks In Season: The Indianapolis Colts(ハード・ノックス・イン・シーズン:インディアナポリス・コルツ)』のエピソード3でメインテーマとなったのは、それに備えるチームの様子だった。そしてシーズン第12週の対戦は、チームたちがいかにブレイディのいるタンパベイ・バッカニアーズをフィールドの上でも外でも倒そうと狙っているかをうかがわせるものだった。

コルツのディフェンシブラインコーチ、ブライアン・ベイカーにとって、目標は明確だった。

「何が最も重要か? この男にヒットすることだ!」とベイカーはブレイディの動画を見ながら彼のユニットに命じた。「起き上がった時にやられたことを分からせてやれ。こいつにヒットだ――ヒットせよ! 最初は正面からプレッシャー、そしてサイドの崩壊。棺おけの中から投げさせてやれ――ヤツがいつも寝ている高圧酸素室にいると思わせてやるんだ」

試合中ずっと44歳のブレイディにつきまとうこととは別に、ターンオーバーを作り出すこともバッカニアーズ戦でコルツのゲームプランの重要な一部だった。コルツのディフェンスは27回のテイクアウェイでNFL首位に立っており、ターンオーバーディファレンシャルもプラス12でリーグベストを誇る。ラインバッカー(LB)ダリウス・レナードとコーナーバック(CB)ケニー・ムーアはそれぞれファンブルフォースとインターセプトでチームをリードしている。エピソードではこの2人のプレーメーカーにもスポットライトが当たっていて、カバーマンとして過小評価されているムーアの能力や、ボールへの正確なパンチで相手にファンブルさせるレナードの超人的なスキルが取り上げられている。

レナードはその戦術を正しく使って、第1クオーター序盤にバッカニアーズのワイドアウト、クリス・ゴッドウィンがパスをキャッチして走り出したところでターンオーバーを生み出している。これはレナードにとってシーズン5回目のファンブルフォースで、現在NFLトップの数字だ。このプレーはまた、選手たちがブレイディを倒すために賢明に努力しつつも、どれほど彼に大きな敬意を払っているかを見せた瞬間だった。

「俺のパンチ、良かっただろ?」とレナードはチームメイトに説明している。「そういう時の俺の喜び方を知ってるよな。相手をこう、口でからかってやるんだ。けど、今回は無理だった。彼はあまりにも偉大すぎるからさ。恐れ多くてできなかったよ」

レナードの印象的なプレーメーク能力は、タイムアウト中にNFLのオフィシャルから賛辞を送られたほどだった。

「どうやってあんなパンチを?」とオフィシャルは尋ねる。「ボールがうまいことルーズになるんだよ」とオフシーズンにはボクシングのトレーニングもしているというレナードは答えた。「手と目を(うまく)使うことだな、それだけ。彼らは俺のヒットを警戒していて、ボールを守ろうとしていないんだ」

好スタートを切り、前半を24対14でリードして終わったコルツだったが、バッカニアーズは後半に24点を挙げて38対31で勝利した。チームが重要な要素と述べていたターンオーバーバトルは結果を象徴するものとなり、コルツのギブアウェイが5回だったのに対し、バッカニアーズは2回だった。

レギュラーシーズン238勝目を挙げたブレイディは試合後にムーアの元に向かい、敬意が双方向のものであることを示した。

「見事だったよ」とブレイディは4回のレシーブで16ヤードしか許さなかったムーアに伝えた。「いい仕事ぶりだ。この調子で続けるといい。君は素晴らしいキャリアを歩んでいる。何をすべきか分かっているんだね。この4年を見ていれば分かるよ」

ハード・ノックス・イン・シーズン:インディアナポリス・コルツは水曜日の東部時間22時から『HBO』と『HBO Max』で放送され、コルツをシーズン終了まで追い続ける。

【M】