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精彩を欠く現状を膝のケガのせいにはしないと主張するカウボーイズRBエリオット

2021年12月05日(日) 12:33

ダラス・カウボーイズのエゼキエル・エリオット【Cooper Neill via AP】

現地2日(木)夜に行われたニューオーリンズ・セインツ戦に27対17で勝利したダラス・カウボーイズはスケジュール上、しっかりと休息できる週に入った。NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区のライバルとぶつかる重要な試合、ワシントン・フットボール・チーム戦までの10日間はランニングバック(RB)エゼキエル・エリオットにとって有利に働くだろう。

エリオットはチームの公式サイトに「休むのにちょうどいい」と話している。

エリオットは不振が続く現状を膝のせいにはしていないが、ケガが彼の活躍を妨げているのは明らかだ。

木曜日の試合ではキャリー13回で45ヤードを記録。『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、4試合連続で50ヤード以下、7試合連続で70ヤード以下にとどまり、いずれもキャリア史上最も長く続いてしまっているという。

第4クオーターでの10ヤードのランを見れば、ケガがプレーの妨げになっているのは明白であり、エリオットが不調であることがはっきりと分かる。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、このランのラッシングヤード・オーバー・エクスペクテッド(RYOE)は9ヤードだった――つまり、うまく予想されていたということだ。この予想を1ヤード上回ったのはエリオットにとってこの試合で2番目に高い数字となっている(1番高かったのはほとんど勝敗がついていた最後のキャリーでのRYOE+9)。この試合でエリオットは予想を12ヤードも下回るランヤードを記録した。

視覚的、統計的な証拠があるにもかかわらず、エリオットは問題を膝のせいにすることを拒んでおり、次のようにコメントしている。

「セインツのフロントは良い。いろんな動きをするしね。いい選手がいっぱいいる。だから、ちょっと大変だった」

エリオットとRBトニー・ポラードを比較して議論をする必要もないだろう。スピードに長けるポラードは最近、調子を上げているものの、木曜日の試合では58ヤードのキャリー1回を除けばほとんど妨害されていた。

どちらの選手がより多くボールに触れるべきかということよりも、エリオットが好調に見えず、そのためにオフェンスが貧弱になっていることの方が問題だ。エリオットは65回のスナップのうち45回(66.2%)に参加したが、彼がボールを持ってもほとんど効果は生まれなかった。

オフェンスにおけるエリオットの役割は単にボールを動かすだけではない。NFL屈指のブロッキング能力を誇るランニングバックは、たとえヤードを稼げなくても、試合に影響を与えられる。

しかし、現時点で不調をきたしているエリオットがオフェンスにとって最良の選択か否かという問題もある。ネクスト・ジェン・スタッツによれば、シーズン第6週以降、エリオットのランヤードはRYOEでマイナス68、1プレーあたりではマイナス8となっているという。期待値に対するキャリー1回あたりの得点はマイナス0.28で、少なくともキャリー20回以上を記録するランニングバックの中ではワースト9位タイに位置している(ちなみに、インディアナポリス・コルツのRBジョナサン・テイラーはシーズン第6週以降+0.23で、NFLで最も優れている)。

木曜日に見せた攻撃はテイサム・ヒル率いるセインツに勝つためには十分なものだった。カウボーイズがポストシーズンに進出した場合は、より優れた人材との対戦になるのだろうか。

「必要なプレーができたし、俺たちにできることはこの勝利を喜び、振り返って、もっと良くなる方法を考えることだけだ」とエリオットは言う。

エリオットが復調するためには、休養をとり、可能な限り健康を保つことが必要だ。しかし、カウボーイズは欠場させたり、あるいは出場回数を減らしたりしないと主張しており、エリオットが調子を取り戻せるかどうかは、シーズン終盤に向けてラストスパートをかける中で疑問が残る。

【RA】