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5勝7敗のパンサーズがブレイディOCを解雇

2021年12月06日(月) 09:39


カロライナ・パンサーズのジョー・ブレイディ【Perry Knotts via AP】

オフェンスの天才だと思われていた人物が退職を促された。

現地5日(日)にヘッドコーチ(HC)マット・ルールと会議した後、カロライナ・パンサーズは攻撃コーディネーター(OC)であるジョー・ブレイディと袂を分かつことになったと発表。今後はシニアオフェンシブアシスタントを務めるジェフ・ニクソンが残りのスタッフと共にオフェンスを取りまとめる。

ルールHCはチームの公式サイトで「今朝、ジョーと会って変化を起こすことを決意したと伝えた。この1年半、チームの形成に時間と労力を割いてくれた彼には、とても感謝している」と述べた。

ブレイディの登場は新体制となったパンサーズにとって大きな意味を持つものだった。クオーターバック(QB)ジョー・バロウやワイドレシーバー(WR)のジャスティン・ジェファーソン、ジャマール・チェイスといった将来のNFLスターを輩出したルイジアナ州立大学で優れたパスゲームを展開していたブレイディの加入は、パンサーズの空中戦における新たな成功を約束するはずだった。

しかし、その代わりにチームが手にしたのは約2シーズンにわたる不満だ。QBテディ・ブリッジウォーターとの1年間のトライアルが失敗に終わり、ブリッジウォーターは退団後にブレイディの練習方法に対する不満を公言している。

ブリッジウォーターは5月に「ただジョー・ブレイディの成長のためだけに言うけれど、あの組織はもっと多くのことをいろいろなやり方で練習しなきゃならない」と明かしていた。

パンサーズのサポーターはブリッジウォーターを“解雇されて不満をあらわにしているクオーターバック”だと思っているかもしれないが、日曜日の展開はそうではないことを示している。今季、パンサーズはQBサム・ダーノルドを起用して再生プロジェクトを進めようとし、一時的にバックアップのP.J.ウォーカーを起用した後、元フランチャイズの柱であるキャム・ニュートンを迎え入れて希望を持たせようとした。ただ、その希望は長続きせず、シーズン第10週にニュートンの活躍でアリゾナ・カーディナルスを破った後は2連敗を喫している。

要は、パンサーズオフェンスはブレイディを雇ったときに思い描いていた姿に少しも近づいていないということだ。現在、トータルオフェンスと1試合あたりのパスヤードで28位につけている攻撃陣は、プレーごとに許したヤード平均でリーグ2位、試合ごとに許したパスヤードランキングで1位という成績を残している優秀な守備陣を実質、無駄にしている。

このようにして変革が求められ、シーズン終了まで残り1カ月あまりという状況でルールHCは決断を下した。パンサーズは3連勝でスタートを切った後の9試合でわずか2勝しかしていない。今回の解雇は2シーズンを通して自分の想定していた結果を得られなかったルールHCではなく、ブレイディに責任を押し付けようとしていると見ることもできる。

パンサーズは最後の1カ月で状況を好転させ、オーナーに自分たちが正しい道を歩んでいることを証明したいと考えている。それを実現できるかどうかは、ルールHCとニクソンにかかっているだろう。

【RA】