2022年のサラリーキャップは約235億円に到達する見込み
2021年12月06日(月) 12:07NFLのサラリーキャップが2022年に元の水準に戻ろうとしている。出費も以前のレベルに戻り、2023年にはキャップのさらなる上昇が見込まれている。
複数の情報元によれば、来季のサラリーキャップは5月にNFLとNFLPA(NFL選手会)が合意した最大額である2億0,820万ドル(約235億2,000万円)に達する見込みだという。最終的な数字は正式に発表されていないが、来週開催されるNFLの年次労務会議で明かされると予測されている。
今季の1億8,250万ドル(約206億2,000万円)というサラリーキャップは2020年の1億9,820万ドル(約223億9,000万円)を下回ったものの、2020年8月にNFLとNFLPAが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる収入不足を今後数年間に分散させることに合意していなかった場合に想定された額よりは大幅に上昇している。2020年にスタジアムが無人だったにもかかわらず、サラリーとボーナスの全額を選手たちに支払うことを可能にした見返りとして、選手らは今も低金利ローン的な措置の“返済”を続けており、2022年のキャップ上昇からはその返済プロセスの促進が予想される。
2021年にも大型のフリーエージェント(FA)との契約は数多く成立してきた。しかし、キャップが1,570万ドル(約17億7,000万円)低下する中で多くのチームは曲芸的なやりくりを強いられており、サラリーの変換や無効年等の多くの操作によって予算を規定内に収めている。一部のFAたちは3月により市場が堅固になることを期待して1年契約を選択してきた。
2013年から2020年まで、キャップは年1,074万ドル(約12億1,000万円)のペースで成長し続けてきた。2022年に想定される2億0,820万ドルは、パンデミックが起こらなかった場合の2021年の見込み額に近い。また、キャップが2億ドルを超えるのは初めてのことだ。
情報筋は2021年に予想外の感染者数急増でスタジアムの収容人数制限やロックダウンが発生し、2022年のキャップナンバーに影響する可能性はまだあると指摘。しかし、その可能性が高いとは考えられていない。2021年にNFLでキャンセルされた試合はなく、スタジアムはほぼ満員の状態に戻って、地方財源のほとんどすべてが回復している。レギュラーシーズンが17試合に拡大すると共に今年に入ってから新たなテレビ契約がまとめられ、昨年からプレーオフ枠も拡大。また、賭博からの収入も次第に豊富になっており、他にも新たな収入源が増えている。
それらすべての要因が、2023年に再びキャップが急増するとの見通しにつながっている。新たなテレビ契約が2020年に結ばれた団体労働協約(CBA)にあるメディアに関連する“割り増し条件”を開放する可能性がある。その場合、選手の収益分配が48%から最大で48.8%に増加するのだ(CBAは収入分配契約であり、キャップは選手の分配分に基づき、サラリーと福利厚生を含む)。
2023年の上昇額がどれくらいになるかは、2020年に取り消されたパフォーマンスに基づく支払い、プロボウルへの手当、学費補助などの選手の一部の福利厚生への払い戻しに関してNFLPAがどういった決断を下すかにもよる。合意内容はこれらの福利厚生にかかわる払い戻しが2023年シーズン終了後のいずれかの時点で行われることを求めている。こういった内容に関する決定は、3月にNFLPAの役員会が行う年次会議前に下されることはないだろうとある情報元は語った。
自分に賭ける選手たちや過去1年から2年でキャップ状況に苦しんできたチームにとっては朗報だ。安堵と現実上の日常が、ついに訪れようとしている。
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