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ワクチン接種状況の偽装による出場停止処分を受けて将来が不明瞭なバッカニアーズWRブラウン

2021年12月06日(月) 12:27

タンパベイ・バッカニアーズのアントニオ・ブラウン【AP Photo/Matt Rourke】

タンパベイ・バッカニアーズのワイドレシーバー(WR)アントニオ・ブラウンがNFLとNFLPA(NFL選手会)の定めるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)プロトコルの違反により3試合の出場停止処分を科された後、ヘッドコーチ(HC)ブルース・エリアンスはブラウンが残留する可能性を残していると、この件について初めてコメントした。

ブラウンとセーフティ(S)マイク・エドワーズがワクチン接種の状況について事実を曲げて伝えたためにペナルティを受けた後、彼らがチームに残るかどうかを聞かれたエリアンスHCは「今後については臨機応変に対応する」と答えた。そして、この回答は憶測を呼んでいる。

関係者によると、出場停止処分が明けた後にブラウンがチームに復帰するか否かは決定されていないらしく、チームは彼らを引き留める可能性もあるという――ただし、批判の声がそうさせないかもしれない。

エリアンスHCは特にチームの接種状況を100%にするのに神経質になっていた。ワクチンの接種状況を正直に伝えていない選手が他にいないか、調査を続行することをリーグに期待しているとも述べている。

同じように接種状況を偽っていた選手がいれば、今回の処分は彼らへの警鐘となり得るだろう。違反を犯す可能性がある者には、それ相応の結果がもたらされることを知らしめている。

万が一、ワクチンカードが本物でなかった場合に備えて、各チームは選手にブースター接種を受けるように周知している。そうすることで、チームと選手の安全が確保される。誰もが保護された状態で過ごせるようにすることが目的なのだ。

関係者によると、リーグは他の選手が偽造されたワクチンカードを持っている可能性を否定していないという。しかし、ワクチン接種済みの選手のうち80%が所属クラブまたはその管理下で接種を受けたことを考えると、その数は比較的少ないはずだ。疑わしい選手がブースター接種を受けて安全性を高めることが期待されている。

ブラウンは上訴することなく出場停止を受け入れた。とはいえ、そこに至るまでにはプロセスがある――NFLとNFLPAは選手を可能な限り保護するという組合の目的を果たすために一致団結して調査してきた。ある関係者はその様子を「一心同体」だと表現している。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが指摘したように、NFLは当初、ブラウンに6試合から8試合程度のより長い出場停止処分を提案していた。また、NFLはブラウンが自白する前にいくつか調査し、ブラウンが接種を受けたと主張するクリニックに聞き取りを行い、その運営方法を調べた上で何らかの問題があるとの結論に達している。

事実をつきつけられたブラウンは出場停止処分に同意――その時点で足首の負傷によりあと2試合は欠場する可能性があった。この一件の後、ブラウンとエドワーズはワクチン接種を済ませている。

偽造ワクチンカードの売買や使用は連邦犯罪に当たる。米国司法省のスポークスパーソンはペリセロに対してこの件に関するコメントを拒否している。

【RA】