ニュース

地区で最下位になるもチームの再編は必要ないとシーホークスHCキャロル

2021年12月28日(火) 18:58


シアトル・シーホークスのピート・キャロル【AP Photo/Lindsey Wasson】

シアトル・シーホークスは2021年シーズンをNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)西地区の最下位で終えることになりそうだ。シーホークスが地区で最下位になるのは1996年以来だ。

ピート・キャロルがヘッドコーチ(HC)を務めるようになってから、2回のスーパーボウル出場、1回のスーパーボウル優勝、そして長きにわたるロンバルディ・トロフィーの争奪戦も経験した。しかし、2021年シーズンはこれまでの好調から一転し、多くの人が新しい時代に突入する時がきたのではないか、と考え始めている。

先日はシカゴ・ベアーズに25対24で負け、その前に行われたロサンゼルス・ラムズ戦では10点差をつけられて敗れたが、キャロルHCはチームを再編する必要はないと考えている。

キャロルHCは『ESPN 710』に出演した際に「やり直さなければならない理由は、ひとつもない」と強調した。

シーホークスが成功を持続できたのは、2011年ドラフト3巡目でフランチャイズクオーターバック(ラッセル・ウィルソン)を見いだせたことに始まり、さまざまな要因がある。シーホークスは後半に指名した選手やドラフト外フリーエージェント(FA)との契約に成功し、過去10年間で強敵として知られていたチームを倒せるほどに強力なロースターを構築することができた。

しかしながら、度重なるドラフト1巡目指名の失敗でフランチャイズは後退している。何年にもわたって、トレードで待望の人材を獲得して穴を塞いできたが、2021年、ついにダムが決壊した。キャロルHCは月曜日、もはや追いつけないほどの才能の格差があったという現実から目をそむけずに、次のように説明している。

「自分たちのディビジョンを見渡すと、カーディナルスが好調だったころ、彼らには多くのスター選手が在籍していた。ナショナル・フットボール・リーグのスター選手とかね。ラムズもかなりいい感じに揃っているように見えた。分かるだろう。49ersは火力が強い感じだった」

「自分のクラブを見ていると、このメンバーが好きだなと感じる。あらゆる面で気に入っている。だが、結果的には、この地区の選手たちは――これがフットボール界最高の地区である理由であり、シーズン中盤まではそう指摘されていたのだ。才能ある選手はあちらにいて、われわれはそれに立ち向かおうとしている」

「われわれは自分たちが得たものを気に入っているが、他のチームが持っているものを賞賛し、向こうに素晴らしい選手がいることを受け入れないといけない。本当にバランスがとれている」

キャロルHCのチームがNFC西地区で最強のロースターを持ち、確実にプレーオフに進出していた時代は終わった。シーホークスは現在、オフェンシブラインの補強、ランニングバック(RB)の一貫性、守備力を必要としている。

セーフティ(S)を獲得するために2つの1巡目指名権をあきらめたシーホークスだったが、Sジャマール・アダムスのトレードは単純に報われなかった。アダムスはパスラッシュをしかけるセーフティだったが、インターセプトでテイクアウェーを強いる能力に欠けており、カバレッジでは精彩を欠き、ついには出場できなくなった。

弱点のあるセーフティを手放すには、かなりの資本が必要だった。このような動きと、1日目、2日目の指名の失敗により、シーホークスは人材不足に陥っている。これはキャロルHCとジェネラルマネジャー(GM)ジョン・シュナイダーの両方に悪い影響を与えてしまった。

キャロルHCはシーホークスをリセットする必要があるとは考えていない。なぜなら、彼は70歳ともう若くはないからだ。人間は本来、変化を好まないものであり、そのような変化はヘッドコーチではなく、ジェネラルマネジャーに起こるかもしれない。ウィルソンも将来が危うい可能性がある。

キャロルHCは当然、10年以上一緒にやってきたシュナイダーGM、あるいはウィルソンと別れることに乗り気ではないだろう。オフシーズンにウィルソンが公に発言した内容によって、内部でドラマが生じた後だったとしてもだ。とはいえ、シーホークスはロースター構築に関しては改善しなければならない。さもないと、シーホークスは最下位の常連となり、キャロルHC時代はすぐに幕を閉じてしまうだろう。

キャロルHCの残してきた功績はとてつもなく偉大なものだが、少なくとも2021年は終了した。キャロルHCとシュナイダーGMは気を引き締めていることだろう。そうすれば、2022年以降も雇用を維持できるかもしれない。

【RA】