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自分に投票しないと発言したMVP投票者を「クズ」と呼んだパッカーズQBロジャース

2022年01月06日(木) 13:08


グリーンベイ・パッカーズのアーロン・ロジャース【AP Photo/Jim Mone】

グリーンベイ・パッカーズのクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースは、NFLの賞への投票権を持っているハブ・アークシュを「クズ」と呼んだ。これは、長年シカゴで活躍してきたスポーツ記者のアークシュが、ロジャースの性格やフィールド外での問題を理由に2021年のAP通信NFL最優秀選手としてロジャースに投票しないと発言した翌日のこと。

ロジャースはアークシュをクズ呼ばわりするとともに、投票しないのは自分がワクチンを接種していないからだとつけ加えた。現地5日(水)に予定されていた記者会見でロジャースは次のように述べている。

「彼はクズだ。どうしようもないクズだな。彼は俺のことを何も知らないし、俺だって彼が誰なのか知らない。昨日の発言があるまで誰も彼のことなんて知らなかったんじゃないか。俺は彼のコメントをちゃんと聞いた。彼は夏の時点、オフシーズン中に俺がMVPを獲得する可能性はゼロだと決めていたと言うんだ。そんなことを言うヤツはこの先投票者から外されるべきだと俺は思うね。彼にとっては俺が悪者だとか、リーグで一番の嫌なヤツだとかそういうことじゃないんだ。だって、俺のことなんてこれっぽっちも知らないじゃないか。彼に会ったことすらない。ランチを一緒に食べたこともなければ、彼にインタビューされたことだってないんだ」

「要は、俺がワクチンを受けていないことが気に食わないんだろう。正義感をかざして結託して、今シーズンだけ“Most Valuable Vaccinated Player(ワクチンを接種している最優秀選手)”にしたいなら、そうすればいいさ。それでもクズであることには変わらないから、俺はそんなことに構っていられない。彼は俺が何をしているのか、誰なのか分かっていない。一度も俺と話したことだってない。そういう感情を持ってしまうことが残念だ。正直言って、彼がそんな発言をすることにびっくりだね。まあ、こういうことも起こるだろうと思っていたよ。数週間前に“Pat McAfee Show(パット・マカフィー・ショーで)話した通りだ。どっちにしてもクレイジーだけど」

2020年のMVP受賞者であり、今年のMVP候補の一人と目されているロジャースは、チーム経営陣への不満からパッカーズのオフシーズン活動のほとんどに参加せず、トレーニングキャンプに合流したことは記憶に新しい。ロジャースはメディア関係者に「免疫を獲得した」と話していたにもかかわらず、2021年のシーズンが始まってから新型コロナウイルス(COVID-19)の検査で陽性反応を示し、ワクチンを受けていないことが判明した上、シーズン第9週の試合を欠場している。

アークシュは火曜日にシカゴのラジオ番組『670 The Score(670ザ・スコア)』に出演し、3度のMVPに輝いたロジャースを「リーグで一番嫌なヤツ」と評した。

『USA Today(USAトゥデイ)』が報じたところによればアークシュはこう話している。

「彼のようにリーグで最も嫌なヤツとしてチームや組織、ファンを散々な目に遭わせておきながら最優秀選手になれるとは思えない。彼はフィールド上で最も価値のある選手だったか? そこは議論の余地があるかもしれないが、それでもジョナサン・テイラーやクーパー・カップ、あるいはトム・ブレイディよりも明らかに価値があるとは思えないね。だから、私の立場からすると、彼が私の選択肢にないのは残りの部分に原因があるということだ」

「彼が選ばれる可能性があるかと言えば、それはそうだろう。ほとんどの投票者は私のような考えを持っていないけど、私が話した中にはそういう投票者もいる。ところが、私たちが投票者であり続けるための条件の一つは、賞が発表されるまで誰に投票するかを言ってはいけないということなんだ。私が誰に投票しないかを言うことは、おそらくその境界線を超えている。それでも、私たちは自分の投票を明らかにすることはできない」

アークシュは水曜日に再び発言し、「大きな間違いを犯した」と述べている。AP通信社のNFL賞の投票者50人のうちの一人として誰に投票するか、あるいは投票しないかを公表してはならないからだ。

アークシュは「授賞式まで誰に投票したかを言わないように、とだけ言われている。だが、その本当の意味はまったく話すなということであって、その理由の一つは、まさに今回のようなことが起きるからだ。私はこのことについてひどく反省しているし、このようなことをしなければ良かったと思っている」と述べたとUSAトゥデイが報じている。

ロジャースはパッカーズのクオーターバックとしてチームを13勝3敗に導き、2シーズン連続でNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)の第1シードを獲得し、3度目のNFC北地区での優勝を果たした。パサーレーティングは111.1でNFLトップとなり、タッチダウン対インターセプト比は35対4と、これもリーグ1位をマークしている。『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、タッチダウンパスを35回以上、インターセプトを5回以下記録したクオーターバックが過去3回にそのシーズンのMVPを受賞しており、昨年と2014年のロジャースもそれに当てはまるという。

ロジャースとパッカーズは日曜日にデトロイト・ライオンズとレギュラーシーズンの最終戦を戦う。

2021年のAP通信年間MVP賞は2月10日(木)の『NFL Honors(NFLオナーズ)』で明らかになる。

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