ブロンコスが3シーズンを経たHCのファンジオを解雇
2022年01月10日(月) 02:07NFLで30年以上コーチングをした後、ビック・ファンジオは2019年に待望のNFLヘッドコーチ(HC)になる機会を得た。
しかし、彼はデンバー・ブロンコスでの3シーズンでついにポストシーズンに到達することなく、その機会は失われてしまった。
現地9日(日)の朝、28対24でカンザスシティ・チーフスに敗れてシーズンを終えた翌日にファンジオは解雇されたと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが報告している。チームも後にこれを認めた。
2019年から2021年までブロンコスのHCを務めたファンジオは19勝30敗でデンバーを去る。
シーズン最終戦を前に彼はブロンコスの1年目のジェネラルマネジャー(GM)ジョージ・ペイトンと会い、自分がチームのHCを継続すべき理由を申し立てたとされている。その時点で決定はなされなかったが、ペイトンは次を見据えていると考えられており、その通りに動いた。
「ビックと彼がNFLで達成した全てに私は大きな敬意を抱いている」とペイトンは声明で述べた。「この1年の間、彼がわれわれのヘッドコーチとして示してくれたパートナーシップ、フレンドシップとたゆまぬワークエシックに感謝したい」
「基礎が敷かれ、前進が見られ、改善のためのリソースがあることを思うと、チームの将来に胸が高鳴っている。ブロンコスとわれわれのファンのために、優れたリーダー、そしてヘッドコーチを見つけるつもりだ」
『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロは、ファンジオが土曜日の敗戦後もペイトンの元を訪れ、AFC西地区の他のチームと比べた自分たちのクオーターバックの格差を訴えたと報じている。しかし、ペイトンは自身の選んだコーチを引き入れたいようだとガラフォロは付け加えた。
「ジョージは、ブロンコスの次なるヘッドコーチを選ぶ全権利を有している」とブロンコスの球団社長権CEOのジョー・エリスは声明の中で述べた。「これは彼の決断であり、彼のプログラムだ」
チームにとってはまた大きな変革だ。シーズン序盤にフランチャイズの顔だったボン・ミラーをトレードに出し、今もマーケットで新たな先発QBを探している彼らは、今度は新しいHCも探さなければならなくなった。
63歳のファンジオの方は、彼が望みさえすれば守備コーディネーター(DC)の職を見つけるのはたやすいことだろう。彼は以前にシカゴ・ベアーズ、サンフランシスコ49ers、ヒューストン・テキサンズ、インディアナポリス・コルツとカロライナ・パンサーズでDCを務めていたことがある。
デンバーでは毎年有望で優秀なロースターがそろっていたものの、ファンジオは3年連続で負け越してしまい、チームは2015年に第50回スーパーボウルを制覇して以来続く低迷から抜け出せなかった。
スーパーボウルで勝ってから、デンバーは過去6シーズンで一度もプレーオフにたどり着けず、5年連続で負け越している。
ファンジオは結局、ブロンコスの進路を変えることができなかった。彼とフランチャイズには新しくフレッシュなスタートが待っている。
優秀なベアーズディフェンスの指導者として、2018年のNFL年間最優秀アシスタントコーチに選ばれたファンジオは、2019年シーズンに先立ってブロンコスに引き抜かれた。
チーフスとのサタデーゲームを前に、彼のブロンコスディフェンスはNFL全体でランキング9位、得点では3位に入っていた。だが、主な問題はディフェンス側ではなかった。
問題はオフェンス、とりわけQBのポジションで、それはファンジオが来る前からブロンコスを悩ませており、彼が去った今も解決されていない。
ファンジオ時代の3年間で、ジョー・フラッコからテディ・ブリッジウォーターまで、7人の選手がデンバーでQBを務めた。比較的長かったのはドリュー・ロックで、間にケンダル・ヒントンがカメオとして登場したこともあった。
しかし、どのQBも長期的な答えととはなり得ず、短期としてでさえ出演を依頼されることはなかった。脳振とうのために2021年シーズンの終盤を欠場したブリッジウォーターはフリーエージェントになる予定で、ロックはルーキー契約があと1シーズン残っているが、彼もそう長くはいないかもしれない。
ファンジオは選手たちやフロントオフィスと良い関係を築いていたとされ、そのワークエシックとディフェンスの知識で尊敬されていた。それでもブロンコスをポストシーズンに行けない呪縛から解くことはできなかった。
そしてデンバーはファンジオと別れ、新たな方向性を求め始めた――いま一度。
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