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ラムズに対する17点差の逆転勝利は49ers のプレーオフに向けて「完璧な勝利」

2022年01月11日(火) 12:33


サンフランシスコ・49ersのジミー・ガロポロ【AP Photo/Marcio Jose Sanchez】

クオーターバック(QB)のジミー・ガロポロがフィールド中央でインターセプトを喫した直後のサンフランシスコ・49ersは、17対0とロサンゼルス・ラムズに大きくリードされて絶望的な状況に置かれていた。

そこから49ersの反撃が始まった。

49ers守備陣がラムズのQBマシュー・スタッフォードをサックしてパントに追い込むと、ガロポロが前半終了直前にチームをフィールドゴールへと導くなど、オフェンスも息を吹き返して49ersファンはようやく盛り上がりを見せた。

49ersは後半に入ってから連続して75ヤードと74ヤードのタッチダウンドライブを決めて17点の同点に追いつき、ディフェンスはラムズを苦しめ、試合は振り出しに戻った。

その後にスタッフォードとワイドレシーバー(WR)クーパー・カップの見事なドライブでラムズが再びリードを奪うと、ヘッドコーチ(HC)のカイル・シャナハン率いる49ersはディフェンスで相手のプレーを阻止し、残り30秒を切ってから5回のプレーで88ヤードを稼ぐタッチダウンドライブで再び反撃してオーバータイムに持ち込むことに成功。最初にポゼッションを手にした49ersはフィールドゴールを決め、ルーキーコーナーバック(CB)のアンブリー・トーマスが華麗なインターセプトを見せて27対24の勝利を確定させた。

49ersのプレーオフ進出が決まった。

49ersをポストシーズンへと導いた勝利を象徴する言葉は「反撃力」だ。

シャナハンHCは「このチームの選手は本当に反撃力がある」と『ESPN』に述べている。「われわれの目標は毎年、究極の一戦に挑むチャンスを手にするためにポストシーズンに進むことだ。このチームは4連敗を喫して厳しい状況に追い込まれていた。ほとんどの場合、4連敗した後にチームをまとめるのは難しい。だが、この組織の特徴、選手や関係者全員のおかげでそれを容易に実現することができた。自分の仕事に集中して戦い続ける。われわれの選手がこの一年を通してやってきたのはそういうことだ」

この17点の逆転劇はシャナハンHC時代の49ersにとって最大の逆転であり、チームにとっても2012年にアトランタ・ファルコンズと対戦したNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のチャンピオンシップゲーム以来となる。

ラインバッカー(LB)のフレッド・ワーナーは、プレーオフの相手に対してはどんなに劣勢でも勝てる、というポストシーズンに向けての自信につながる試合だったと考えている。49ersは現地16日(日)の東部時間16時30分からライバルのダラス・カウボーイズと激突する。

ワーナーは「試合はいつだってうまくいってほしいし、早めに勢いをつけたいと思っている」と話す。「でも、今日の試合はこのチームの回復力を示すものだったと思う。その先は決して楽じゃないから、ポストシーズンに向けて必要な、完璧な勝利だった。NFCにはたくさんの強豪チームがいて、自分たちが最終的な目標を達成したいのであれば1試合1試合を大切にして、ダラス戦で勝利するには全員が集中して取り組まなければならない」

24対17、残り1分50秒の場面でパントした後の49ersの勝率は0.4%となり、2016年に『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』が統計を取り始めてから最も低い勝率を記録していた。

49ersはロースターにいたあらゆる選手が勝利に貢献している。序盤は苦戦していたジミーGが後半になって見事な投球をし、WRディーボ・サミュエル、WRブランドン・アイユーク、ワーナー、ディフェンシブエンド(DE)のアリク・アームステッド、DEニック・ボサらが活躍を見せた。キッカー(K)のロビー・ゴールドは勝利を決定づけるフィールドゴールを決めただけでなく、パンター(P)のミッチ・ウィシュノウスキーが負傷した後も見事に役割を果たしている。

49ersのシーズンを救うこの大逆転劇は、チーム一丸となって成し遂げたものだ。

ガロポロは「いろいろな感情がわいてくる」と語った。「試合全体を通して浮き沈みが激しくて、出だしも悪かったけど、逆転することができた。全力で戦わなければならなかった。毎週のようにそう言っているけど、今回は本当にそうだったし、試合が終わってもそう感じている。ロッカールームにいる選手の多くもそう感じているはずだ。でも、その甲斐あって、そうそう忘れることのないような試合になった」

【R】