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スティーラーズQBロスリスバーガー、シーズンを終えて“運命”のブラック&ゴールドに感謝

2022年01月17日(月) 16:47

ピッツバーグ・スティーラーズのベン・ロスリスバーガー【AP Photo/Travis Heying】

ピッツバーグ・スティーラーズのクオーターバック(QB)ベン・ロスリスバーガーの2021年シーズン最後のパスはばっちりと決まっていたが、ゴールラインの手前で試合は終わってしまった。とは言え、これはロスリスバーガーがどのように記憶されるかに、ほとんど影響を与えないだろう。

ロスリスバーガーは2021年シーズンをもって引退すると見られており、現地16日(日)夜にスーパーワイルドカード週末のカンザスシティ・チーフス戦に42対21で敗れたことで、ロスリスバーガーとスティーラーズは正式に今季の終えんを迎えた。

ロスリスバーガーは苦戦を強いられながらも――例えば、パスキャッチャー陣のドロップがあった――パス44回中29回を成功させて215ヤード、タッチダウン2回をマークするなど、まずまずの成績を収めて今シーズンを締めくくっている。今回のスタッツは攻撃コーディネーター(OC)マット・カナダが率いた最初のシーズンを象徴するようなものだった。

もしこれで終わりであれば、ロスリスバーガーは2度のスーパーボウル優勝、3度のAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)優勝、2004年攻撃部門最優秀新人賞受賞、6度のプロボウル選出、2度のパスヤード1位という業績を残すことになる。ロスリスバーガーは自宅のジュエリーケースに指輪を2つ納め、良き時代を過ごしたスティールシティで作り上げた数え切れないほど多くの思い出を胸に秘めている。

ヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンは試合に敗れた後にロスリスバーガーのキャリアについて「彼は7番だった。名誉なことであり、喜びでもあり、言葉が見つからない」と語った。

ロスリスバーガーは日曜夜、この瞬間の重みを受け止めている。

ロスリスバーガーは「きついけど、このメンバーでプレーできたことを誇りに思う。神様はフットボールを投げる能力を与え、ピッツバーグという最高の街で最高のファン、最高のフットボールチーム、そして選手たちと一緒にプレーできる機会を恵んでくれた。このような機会を与えてくれた神様に、心から感謝している」とコメントした。

ロスリスバーガーの最後の2シーズンは完ぺきとは程遠かったが、それでも1回はAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区優勝をリードし、もう1回は当初の予想を見事に裏切ってワイルドカードの出場権を手に入れ、スティーラーズを2回ポストシーズン進出に導くほどの活躍を見せている。どちらも同じようにスーパーワイルドカード週末で敗れ、対戦相手が勝利を祝う中、ロスリスバーガーはどういう可能性があったのかと考えさせられていた。

それらの敗北の前、ロスリスバーガーはNFLでも最も安定してタイトルを争っているチームの顔だった。ロスリスバーガーのキャリアの中でスティーラーズはスーパーボウルの舞台に3度到達し、そのうち2度を制しており、プレーオフで勝ち進んだことなら何度もある。その傾向は2004年に、ロスリスバーガーがレギュラーシーズンの13試合に先発してそのすべてで勝利するという強烈な形で始まった。2004年の戦いは、後にスーパーボウル覇者となるニューイングランド・ペイトリオッツにカンファレンスチャンピオンシップで敗れるという悔しい結末を迎えている。しかし、やがて殿堂入りするのが確実なキャリアはそこから始まったのであり、それと同時に、スティーラーズは20年近くにもわたるNFLのエリートへとのし上がっていったのだ。

「俺は長いことここにいるし、楽しいことでいっぱいだった」と振り返るロスリスバーガーは「もう言ったように、神の祝福があったんだ。(ロスリスバーガーを指名する可能性のある)ブラウンズについてたくさんジョークを言っていたけれど、俺はブラック&ゴールドを着る運命だった」と続けている。

「ドラフトの日、俺はブラックのスーツを着てゴールドのネクタイをつけていた。とても感謝しているんだ。一人のスティーラーであることのレガシーを、ダン・ルーニーから受け継いで次につなげられたらと思っている。誰もが彼を恋しがっているよ。彼を知るすべての人が、彼を思っている。だから、その一部を次に伝えて、スティーラーであることが持つ意味を伝統として続けられたらと思っている」

ロスリスバーガーはキャリア通算6万4,088パスヤード、タッチダウンパス418回(インターセプト211回)、キャリアを通したパサーレーティング93.5、先発としての戦績165勝81敗1分、決勝点ドライブ53回をマークして、2021年シーズンを終えた。あらゆるチームが目標とすることを達成できずに終わったスティーラーズだが、ロスリスバーガーはためらうことなくチームメイトたちの努力を称賛している。

「彼らが戦ったさまを、本当に誇りに思っていると言おう。ラインマンだとかバックスだとか、レシーバーとかタイトエンドだとかを問わず、俺たちには皆がいる。皆が進歩し、文字通り最後まで戦った。今夜、誰もが最後の瞬間まで、絶対にあきらめなかった。もう追いつけなくなっても、皆やめなかった。彼らをブラザーと呼ぶことができて、彼らのためにプレーすることができたのを、本当に誇らしく思う」

これがNFLキャリアの終わりだとすれば、ロスリスバーガーは最終的な成績や、18年のNFLシーズンを通してスティーラーズにもたらした多くの栄光を誇れるだけの十分な理由と共に、日没の向こうへと去っていくだろう。

『KSHB』のアーロン・ラッドによれば、チーフスのヘッドコーチ(HC)であるアンディ・リードは日曜日に「彼のラストゲームでベンと戦うチームをコーチできたのは光栄だった」と話し、ロスリスバーガーがいつの日かカントンに加わる日がくると思うとつけ加えたという。

スティーラーズはナンバー7の後任に足るだけの選手を見つけなければならない。ロスリスバーガーが去った後に埋めるべきものは、あまりにも大きい。

【RA/A】