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QBマホームズ、TEケルシー、WRヒルの間に生まれる化学反応は「特別」とチーフスHCリード

2022年01月28日(金) 12:45

カンザスシティ・チーフスのトラビス・ケルシー【AP Photo/Charlie Riedel】

現地23日(日)に行われたバッファロー・ビルズとのAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)ディビジョナルラウンドでは、カンザスシティ・チーフスが13秒のドライブで奇抜なプレーを見せ、試合を延長戦に持ち込んでいる。これはクオーターバック(QB)パトリック・マホームズ、タイトエンド(TE)トラビス・ケルシー、そしてワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルの3人が心を通わせていなければできないことだ。

今週初めに『NFL Films (NFLフィルムズ)』と『Inside the NFL(インサイド・ザ・NFL)』 は、ケルシーがこの試合終了間際のドライブをお膳立てしている様子を捉えた動画を投稿した。このドライブのおかげで最終的にチーフスは42対36の延長戦を制してAFCチャンピオンシップゲームに進んでいる。

「ケルシーが最後の13秒ドライブを計画したのか?」

マホームズがケルシーに試合を決定づける25ヤードのパスをつないでフィールドゴール圏内に入った即興は、ヘッドコーチ(HC)のアンディ・リードがチーム内に育む自由な精神がなければ実現していない。

リードHCは「彼らは、時には自分たちだけでもできることがあると分かっていて、大抵の場合それは正しい。あれはうまくいった」と水曜日に話している。

ケルシーはビルズのディフェンスを先読みし、カバレッジを利用してルートを調整した。リードHCは、必要に応じて適切な調整を行うQBとプレーメーカーを全面的に信頼しているという。

そのプレーについてリードHCはこう話す。「彼はもともとあの方向に向かっていくつもりだったから、どうやってそこに辿り着いたかというだけだ。二人はうまくやってくれた。こういうことはめったに起こらないが、起こった時に彼らは正しい判断をしてくれる。プレーを知り尽くしているし、できることとできないことも分かっている。そういうところが優れているんだ」

マホームズは、ケルシーとヒルとの化学反応は、長年にわたって多くのレップスをこなして築き上げた信頼関係から生まれたものだとつけ加えている。

「とにかくたくさんのレップスをこなすことだ。実際に試合でいろいろなカバレッジを経験してみる必要がある。彼らとこのオフェンスで戦えて良かったことは、ありとあらゆるカバレッジを経験してきたということ。みんなそれを知っていて、フィールドに出た時にピンとくる。だから俺たちのオフェンスシステムの中でどうやったらフリーになれるかが分かるんだ。トラビスとのプレーもまさにそれだよ。他の選手の動きも頭の中に入っていたから、自分にはできると分かっていた。あのルートを走ってキャッチできると確信していたんだ。自分に何ができるかだけじゃなくて、オフェンス全体の中で他の選手にも何ができるかを分かっていないといけない。オフェンスを熟知した上で正しいランの判断ができなければ、ああいうプレーは生まれないんだ」

そのプレーはリードHCがトップ選手たちに推進している「自由」の最新事例となった。たとえそれがスター選手であっても、接戦の中で正しいプレーをしてくれるとすべてのコーチが自分の選手たちを信頼しているわけではない。

リードHCはマホームズとケルシー、ヒルの呼吸がぴったり合うことについて次のように述べている。

「あれは特別だ。3人がお互いを信頼し合っている。それが大事だ。彼らにはディフェンダーがどのようなレバレッジをしてこようとも、相手がどこにいるかを見極める天性の能力が備わっている。私はそのことに感謝している。試合の状況は常に変化するわけで、臨機応変な対応は避けられない。事前に準備していた作戦通りにきれいなルートを走れない時だってあるさ。それに、これは相手のいる話だ。だから、相手がいろいろなことをしかけてくる中で、あのような相性の良さがあると非常に助かる」

3人の化学反応によって、チーフスは4年連続でAFCチャンピオンシップゲームの切符を手にした。現地30日(日)のシンシナティ・ベンガルズ戦に勝てば、チーフスは3年連続でスーパーボウルに出場することになる。

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