ニュース

LTウイリアムスの動きは「車が自分に向かって走ってくる」ようだと49ersマクダニエルOC

2022年01月30日(日) 00:54


サンフランシスコ・49ersのジミー・ガロポロとトレント・ウイリアムス【Alika Jenner via AP】

NFLのディフェンシブラインマン(DL)が思い浮かべる最も怖いプレーはどういったものだろうか。例えば、オールプロに選出されたことがあり、身長196cmで体重145kgの機敏なオフェンシブラインマン(OL)が動き出した後、勢いよく自分に向かって突っ込んでくるのはどうだろうか。

きっと、そのプレーだろう。

サンフランシスコ・49ersは現地22日(土)に勝利したNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)ディビジョナルラウンドのグリーンベイ・パッカーズ戦でそのようなシナリオを練り、第2クオーターの第3ダウン残り1ヤードの場面でレフトタックル(LT)トレント・ウイリアムスを動かしている。ウイリアムスは道を切り拓いた。

「トレント・ウイリアムスのイン・モーションはフェアじゃない。#FTTB #NFLプレーオフ」

49ersの攻撃コーディネーター(OC)マイク・マクダニエルは木曜日に次のように語っている。「街中で車が自分に向かって走ってきたことはない? ああ、怖いだろう。クールだ。他に存在しないだけに、かっこいい。あんなのは見たことがないし、あれだけの力があって、あんなに速く動ける人はいない。どれほど大きくて、どれだけ速いのかを見るのは最高だ・・・あのプレーを初めて練習したとき、先週の木曜日の夜だったか、先発ディフェンスとスカウトチームのディフェンスで初めてそのプレーをしてみたところ、その後5プレーぐらいの間はざわめいていたと思う。ワオという感じで。それは、われわれフットボールチーム全体がいかにフットボールを愛しているのかということの証明であり、だからこそ、全員がプレーすることに興奮するのだ」

49ersは試合中、この後にも同様のプレーを試みている。しかし、ランニングバック(RB)イライジャ・ミッチェルは第4ダウン残り1ヤードで追い込まれてしまった。とはいえ、ウイリアムスを動かしたことは49ersのコーチングスタッフの創造性と、巨大なレフトタックルの驚異的な運動能力を際立たせた。

ヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハンはこう話している。「10年前からやっているのと同じプレーだ。あと1つ、どんなピースを足そうか。以前はカイル・ユーズチェックだけだったが、その後、タイトエンドを加えた。それからランニングバックを加え、レシーバーも追加した。昔、トレントはそれを冗談半分で言っていた。そして、彼だけが残り、あれをやるのに彼はきっと、想像できる限り最高の選手だ。これが合法だなんて信じられない。見ているだけでも怖くなる。やったのは一度だ。ここを出る前の晩にウオークスルーでやった。トレントはあまり練習する必要がなかった」

「彼はただ、スナップカウントでタイミングを計り、ディフェンスのギャップを全速力で走り抜け、誰が現れようと一掃するだけでよかったのだ。そして、現れた人たちはかなり速くそこを離れていった。あのプレーは誰がやったかによって、今まで見た中で最もクールなプレーの一つになったと思う。われわれのプレーそのもののおかげではない」

これは合法なのだ。適切なタイミングで適切な場所に行けるあれほど大きなオフェンシブタックル(OT)はほとんどいない――そして、タックルにその役割を信頼して任せるコーチは、おそらくもっと少ないだろう。

守備選手にとって、ウイリアムスが猛スピードで駆け抜けてくる姿は楽しい想像ではないはずだ。

『NBC Sports Bay Area(NBCスポーツ・ベイ・エリア)』によると、49ersのディフェンシブエンド(DE)ニック・ボサは笑いながら「それはかなり怖いだろうね。彼は野獣のような存在で、ああいう選手がチームにいると、できるだけ有利になる方法を探したくなるものさ」とコメントしたという。

ウイリアムスは足首のケガを抱えて2日連続で練習を休んでおり、日曜日に控えるNFCチャンピオンシップゲームのロサンゼルス・ラムズ戦に向けて、そのステータスが疑問視されている。

ウイリアムスが出場する場合、タイトエンド(TE)ジョージ・キトルは大型のオフェンシブタックルの使い方について、別の案も持っているようだ。

キトルは「1回は彼にハンドオフしてみようぜ」と冗談を言い、「彼にタックルしようとする人がいるかどうか。面白いプレーになりそうだけどな」と続けている。

【RA】